FC2ブログ

姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

台風の直前で雨もひどい。
Nちゃんは「どこに行く?」と言いながら、
車を走らせた。

(どこに向かっているんだろう)

ホテルのあるエリアはいくつかある。
そのエリアを一つ過ぎ、また一つ過ぎた。

(もう!私、期待し過ぎ…
一緒に居られればいいじゃん!)

そう思って、しばらくしたころ、
車は見覚えのある道を走っていた。

(あ、そのつもりがあったのか…)

時刻は午後3時を回ろうとしている。
到着したのは何度か行ったことのある
古いホテルだ。

古いからか、この時間でも空室がある。
それを見越して、Nちゃんはここに来たのだろう。
雨の休日は大抵どこも満室だから。


(でも…もう3時だよ…)

私はこの日、夜に予定があった。
だから全然帰りの時間は構わないのだが、
Nちゃんは違う。
いつもは6時前、早ければ5時半にはバイバイする。

Nちゃんは何も言わない。
だから、始まりの時間は遅かったけれど、
いつものようにゆっくりと過ごした。

この日は、”終わりかけ”の私に気遣って
Nちゃんはずっと私の上だった。
私の腰の下にはバスタオルを敷いて。

ずっと上のまま、時間をかけて
交わりを続け、そして果てた。

(もう随分時間が経っているはず…)

Nちゃんの次の言葉がどう来るのか、
構えてみたが、何もなく、
シャワーを浴びると、ベッドに戻り
Nちゃんは腕を広げて私を抱き寄せた。

ほどなく寝息を立てるNちゃん。
静かに、気持ちよさそうに眠っている。

(時間は大丈夫なのだろうか)

ようやく目を覚まし、
Nちゃんは枕元の時計を確認した。
ちらりと見えた時刻は午後5時を回っている。

テレビでは報道番組が始まった。

(やばいじゃん、こんな時間じゃん!)

それでも、Nちゃんは動かなかった。
体を合わせ、他愛ない話をした。

そのなんと気持ちのいいことか…
穏やかで幸せな時間。

しばらくして、ようやく起き上がり、
身支度をした。
私は、夜の予定に合わせて、
いつも以上にきちんと化粧を直す。

「姫ちゃん、顔見せて!よし、 大丈夫。」

「大丈夫って、どういうこと?」

「チェックしておかなきゃね。」

「そうなんだ…ありがとう」

ホテルを出たのは6時前。
Nちゃんはちっとも急いでいない。
むしろゆったりとしていた。

(急がなくてもいい理由があるのかな)

「姫ちゃん、何時に約束?」

「7時」

「そっか。気を付けてね。」

そして車の中で話をした。
帰ろうという素振りは見えない。
「オレはこのあと選挙でも行ってくるかな。
8時までらしいから。」

翌日の台風に備えて期日前投票に行くという 。
急いで帰宅しなくていいのだろう…

私の約束のギリギリまで
いてくれそうな気配だったが、

「私、もう少しお化粧直してから行くね。
今日はありがとう。雨、気を付けてね。」
と、バイバイした。

時刻は6時半。
初めてのパターンのデートだった。
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
Pass:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック URL
http://donnahime.blog.fc2.com/tb.php/604-d8368100
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック