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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

そば屋を出て、Nちゃんが私に聞いた。
「姫ちゃん、どこに行きたい?」

「うーん…考えてない。」

Nちゃんは何かを目指すように、車を発進させた。
いつもと違う市街地を抜け、住宅街に入ったところで
あっ!と、彼を制止した。
「ゴメン、Nちゃん。私、生理なんだ…」
ラブホに入る寸前だった。

「なんだ…だったら早く言ってよ。」
珍しく不機嫌な表情でNちゃんが言った。

「ゴメン…」

「いいけどさ」
不機嫌さが消えて、いつもの表情に戻っていた。

彼と交わったのは年末のこと。
だからしばらく経ってはいるけれど、
元々、Nちゃんは逢う度に求めてくるわけじゃないし、
あの顛末の後、余計にそんな気分にならないと思っていた。

「じゃあ、どこに行く?海に行く?」

「うん」

そして海に向かった。
太陽が波間に反射してキラキラとまぶしい。
ビュービューと風に吹かれながら、海岸を歩いた。
他愛もない話をしながら、ふと、彼は歩みを止め、
体をかがめて私にキスをした。

「姫ちゃん、大好きだよ。」

顔を離してそう言うと、もう一度キスをした。
私はNちゃんの頬に手を添えて、彼を捉えた。


車に戻って、私が買ってきたおやつを少し食べた後
「コーヒー飲みに行こう」と車を走らせた。

随分以前に、仕事で関わったカフェが近くにあることを
彼に告げ、うろ覚えの記憶でそこに向かった。
アンティーク雑貨や廃材を利用したオーダー家具もある。
居心地のいい空間で、中庭に向かって横並びで座った。

Nちゃんは私の腰に腕を回す。
この密着具合に、あぁ私は愛されていると実感した。
ソファに深く腰を沈め、目を閉じるNちゃん。
その顔をまじまじと見つめた。
”私はNちゃんが好きだ。欲しくて欲しくてたまらない。”

少し奥まったその席はどこからも見えない。
だからNちゃんは顔を近づけて舌を出したので、
私は彼の舌を吸い取るようにキスをした。

Nちゃんはそれに満足したのか、再び目を閉じた。
時間が止まればいいのに…
そう思って、私はやっぱり彼の顔をまじまじと見つめた。


カフェを出たのが午後5時。

私が長男を迎えに行くのは6時過ぎでいいので、
まぁどこかで時間をつぶそうと思っていると、
Nちゃんは「お迎え6時だっけ?」と私に確認して、
「ヤマダ電機行っていい?」と言った。

そうか、Nちゃんなりに考えてくれているんだ…
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コメント
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2016/01/21(木) 09:40:41 | | # [ 編集 ]
鍵コメMさん
こんにちは。

コメントありがとうございます。

やれやれ、いつものことか、、、
と思われませんでしたか??
ほんと、成長していなくてスミマセン(>_<)
自分でもあきれているんですけれどね。


> ぶつけ合うことが本当に必要なのかな?と思いましたよ。

そうですね…おっしゃる通りです。
ぶつけたいのは私のエゴですしね。
色々と自分の器の小ささに気付かされました。


> 言葉は一度発したら元には戻らないので、一言発する前に一呼吸置いてみてはいかがでしょう^^

ほんと、そうですよね^_^;
感情的に書いた手紙はラブレターでも一晩置け、って
いうのを誰か有名な小説家が言ってた気がします。
一晩でなくとも、一呼吸置くのは、自分のためでも
あるのかな、って思います。

今回、それを学びました。
発した言葉は取り消せないんですもんね。
自分で忘れたつもりでも、相手の心に残ってることも
あるでしょうから。



2016/01/21(木) 13:29:07 | URL | donna #- [ 編集 ]
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