FC2ブログ

姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

約束通り、Nちゃんは私に逢いに来てくれた。
私に直接「誕生日おめでとう」と言うために。

夕方、「22時ごろには行けると思う。遅くなってゴメン。」
と、連絡があった。

職場の送別会のあと、プレゼントを届けに来てくれるという。
「どうやって来るの?」

「車だよ」。

「だって、宴会でしょ?」

「車で行きたいから、飲まない。」

「そうなの?いいの?」

「姫ちゃんに逢いに行きたいからね。」

そして、彼はちゃんと来てくれた。


私の家のそばの図書館の駐車場。
Nちゃんの青い車が停まっている。
助手席に乗ると、彼は言った。
「ちょっとクサいけど。」

「ん??確かに、、、すごいにおい。」

「焼き肉だったからね。煙と油にまみれてる。」
車の中は焼肉屋さんのようだった。

「姫、お誕生日おめでとう。」
小さな紙袋を差し出しながらNちゃんが言った。

「開けていい?」

「もちろん。どうぞ。」

紙袋の中には小箱と封筒が一通。
そう、私は、Nちゃんに「お手紙書いて。Nちゃんの字を見てみたい。」
と、お願いしていた。

小箱を開けると、ダイヤモンドの華奢なリング。
ころんとしていて、とても可愛らしい。

「ありがとう。すごく可愛い。ありがとう。」

ずっと前から「何が欲しい?」と聞かれていた。
「何でもいいよ。」と答えていたのだけれど、
「ダメ、ちゃんと言ってくれなきゃ。」と、言われて、
「じゃあ、身に着けるものを」と、答えておいた。
「いつも着けていられるシンプルなものを」と、リクエストもした。

少し前に「指は何号?」と聞かれていたので、リングだなとは
思っていたんだけど、、、


すごく可愛い、、、というか、コレ、もはやエンゲージリングだ。
いや、そういう意味じゃなくて、デザインがエンゲージリングだよ。
なんか、バレバレだなぁ、、、いいのかなぁ、、、、

「姫ちゃんがシンプルなのっていうからさ、でも、なかなかなくてさ。
最初はルビー(誕生石)にしようと思ったんだけど、シンプルなのって
やっぱりダイヤモンドかなって。で、ずっとつけていられるのってプラチナかなって。」

「ちゃんと考えてくれたんだ、、、」

「もちろんだよ。手紙も書いたよ。一生懸命、、、誤字脱字しないように。」

「アハハ、、、そっち?」

「大事でしょ?誤字脱字しないこと。ペンで書くんだから直せない。」

「消せるペンじゃなくて?」

「違うよ~。ちゃんと筆ペンで書いたもん。」

「ほんとにありがとう。すっごく嬉しいよ。良かった、、、
ガッカリ名人じゃなくて。」

「当り前だよ。誕生日はガッカリ名人じゃないの!」

「アハハ、、、誕生日限定?」

「せめて、誕生日は。」

「ありがとう。」


そして、Nちゃんに抱きついた。
「クサいよ。」

「ほんと、、、すごい。」

「無煙ロースターとかの店じゃないもん。煙と油がモウモウだもん。」

そういうNちゃんのどこもかしこもから焼肉のにおいがした。
においどころか、ベタベタしてるし。
耳の穴からは煙のにおいがしてさすがに笑えた。

「すごいよ、Nちゃん、、、」

「だって、自分でもクサいもん。」

「こんな状態なのにわざわざ来てくれてありがとう。」

「今日じゃないと意味がないでしょ。」



こんなににおいと油を身にまとって、、、
それでも私に逢いに来てくれたことが嬉しかった。
シャワーを浴びたかっただろうに、、、疲れただろうに、、、
焼肉とビールを楽しみたかっただろうに、、、


だから、嬉しくて、嬉しくて、
Nちゃんのにおいと油を共有するようにきつく抱き合った。
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
Pass:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック URL
http://donnahime.blog.fc2.com/tb.php/389-da01f3be
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック