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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

と言っても、Hな診察ではない。
今日はひろの外来診察の日だった。

「ついて行ってもいい?一人で行きたい?」
前もってひろに尋ねたところ
「いいよ」と言ってくれたので、仕事を調節しておいた。

病院の駐車場は休み明けのせいかかなりの混雑で
入り口でひろを下ろし、姫はひとり駐車場が空くのを待った。
「今どのくらい進んだ?」
しばらくしてひろから電話が入ったけれど
あいにく、入庫まではまだまだかかりそうで
「まだだから、ひろはコーヒーでも飲んでおいでよ。」
そう言って、電話を切った。
車のテレビでは、ちょうど姫の大好きな山崎まさよしの
特集のようなものを放送していたので、
全く退屈なんかではなかった。

ひろからメール。
「一人でコーヒー飲んでる。一人にしてごめん。」
珍しく気遣いのメールで驚いた。

20分以上かかって、やっと入庫し
ひろとともに診察室の待合で待つ。
渡されたベルはなかなか鳴らず、
けれども、二人一緒にいる時間は、やはり退屈ではないので
全く苦痛なんかではなかった。

予約時間を45分ほどオーバーして診察室に入る。
「どうですか?」先生が尋ねた。
ひろが辛さに耐えかねて急遽診察をしてもらってから
ちょうど一週間経っている。

「良くないです・・・」
そうして、ひろは自分の症状について話すのだけれど
どうも大袈裟に脚色されているし、正確ではない。
姫は、黙っていることができず口を挟んだ。

「ちょっと余りに憐れみを誘うような言い方してるけど、
食べていないって言っても、何かしら食べているんです。
以前みたいにガッツり食べていないだけで、チョコレートやら
何やらちゃんと食べてますから。
それに・・・眠れていないって言うのも、先週は何日か
ありましたけれど、この一週間は眠れています。」

先生は姫の顔を見て、笑った。
「そう。それならいいね。良かった・・・」

ベッドに仰向けになったひろのお腹を触診しながら
先生は言った。
「良くなるように、お祈りしておこう!」

姫の余計なお節介の甲斐もあってか、恐らくひろの
再入院は免れた。
投薬で様子を見ることになったし、次の外来の予約もした。

診察室を出て、ひろがうなだれて呟いた。
「ありがとう。すみませんね・・・
僕はいつも言葉が足りないから・・・」

「いやいや、言葉が足りないっていうよりさ、
脚色し過ぎだよ!ちゃんと事実を言わなきゃ、
先生も判断できないでしょ。先生の憐れみを誘っちゃダメ!」

その後も、ヤレ何がない、どこに行った・・・と
会計するまでテンヤワンヤで、姫の出る幕だらけ。

帰りの車でひろが言った。
「何から何まで・・・ありがとう。
君の貴重な時間をつぶしてしまって申し訳ない。」

「何をおっしゃって!姫が勝手についてきてるんだよ。
ひろに頼まれたわけでなく、姫が好きでやってるの。
それに、黙っていればいいものを口出ししてゴメン・・・」

「ありがとう。」

「ありがとうだなんて・・・」

「僕と一緒にいたいから?」

「もちろんだよ!」

「ガハハハハ・・・」
水戸黄門に出てくる悪代官のようにひろは笑った。
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