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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

10年ほど前 ひろと出会った。

2月早春の頃だったと思う。
長い付き合いの女友達Aちゃんと夜、食事をした。
彼女とは お酒を飲みに行ったり 食事をしたり、愚痴を聞いたり、
お互いを慰めあったりする仲だ。

ビストロでの軽い食事の後、彼女行きつけのバーCへ行こうということになった。
Cが入るビルの前で 彼女が声を上げた
「Sさん!!」


初めて、ひろと出会った瞬間だ。

「今、Cで飲んでた。どこ行くの?」と、ひろ。

「今から彼女と二人でCに行こうかと思って。Sさんは休みなの?」

「いや、休みじゃないけど。たまには。じゃ、Cに一緒に行こう。」

姫はAちゃんとひろが話をするのをじっと見ていた。
(素敵な人だな。)と思ったような気がする。
あとから考えたら、その時すでに、恋に落ちていた。

Cはほの暗い照明で大人の雰囲気のバー。
カウンターの奥にAちゃん、ひろ、姫の順で座った。
簡単に自己紹介的な会話をする。

ひろがダイニングバーのオーナーであること。
既婚者であること。50を過ぎたところであること。
今まで経験した仕事のこと。

姫も自分の話をする。既婚者であること、年齢。
子どもが二人居ること、仕事のこと、色々。

Aちゃんを交えて他愛ない会話をしながら、ひろに惹かれてゆく自分がいた。

Aちゃんに促されて ひろと携帯番号の交換をする。
ひろが老眼鏡を取り出す。ポケットから照れながら。
「これかけないと見えないんだよ。100円ショップのもの。」

2時間くらいCに居ただろうか。
Cのマスターも交えて 他のお店で飲むことになった。
Aちゃんを置いて、先にひろと姫がCを出ることになった。

ビルの外。寒い夜風が吹く。約束のお店まで少し歩く。
ひろが手をつないできた。
「こんなふうに手をつないだのは学生の時以来だ」

足早に歩きながら どんな会話をしたろう。すでにすっかり恋に落ちていた。
全てが姫の好みだったのだと思う。
優しげな目。洒脱な会話。大人な雰囲気。
色気のあるしぐさ。女性の扱い。
軽そうに見えて、控えめで気遣いのできるところ。
性急なところはなく、下品でもない。だから安心できた。

約束の店に着きAちゃんたちを待つ。
Aちゃんたちが到着してひとまず4人で乾杯した。
他愛ない会話。姫は 初めての雰囲気に気後れする。
盛り上がる場に入っていくのは苦手だ。

ひろが言う「ここは明る過ぎるなぁ。もっと暗い店はないの?」

「じゃあ、二人でそこに行こう!」
ひろに促されて、二人で店を出た。

Yの入ったビルを確かめたあと、ひろが言う
「僕のお店はあそこだよ。ちょっとだけ行ってくるから
君は先に入ってて。この上だから。行ける?大丈夫?」

「うん。」
一人で階段を上る。木のドアを開けると、店内は真っ暗闇。
手探りで カウンターに腰掛ける。
小さなろうそくの灯りの中、一人でドキドキしながらひろを待った。

ほんの数分経ったころ、ひろが来る。息を切らして。
「お嬢さん、お一人ですか?」

「はい。」

「ご一緒していいですか?」

「ええ。」

「接吻したくなった。」
そして、ひろに抱きすくめられた。
されるがままじっとしていると、ひろが顔を寄せキスをした。
舌を絡め、ひろの手が姫の背中を這う。
姫もひろの背中に腕を回して、きつく抱きしめた。
ひろの髪に指を滑らせ、柔らかな髪に指を絡めた。

姫のこと、ひろのこと色々な話をする。
ひろが言う「僕は君の愛人にはぴったりだ。」

「僕たちはもう遺伝子を残さなくてもいいし、僕は後腐れがない男だ。」
とにかく姫にアプローチしてきた。

カウンターに並んで座っていると、
姫の手を取って、ひろは自分のものへ導いた。
導かれるまま、優しく、強く触った。

ひろも姫を触り、首元から胸元へ手を滑り込ませる。
ひろはシーンズのジッパーを下ろすと、さらに姫の手を導いて握らせた。


ひろとの交歓は心地いい。こんな気分になったのは久しぶりだった。
子どもを産んで女としてもう終わったような気がしていたからだ。
もう誰とも恋をしないと思ったし、まして性的な喜びを感じることなんてないと思ってた。

トイレに行こうと席を立った姫は身体の芯が熱くなっていた。
姫は濡れていた、とても。

もう濡れることもないと思っていた。
子どもを産んだら、そうなるのだと思ってたのだ。
だから、とても嬉しかった。まだ終わっていないのだと思って。
まだ濡れるような身体なんだという喜びに、うっとりした。

席に戻ると、ひろが言った。もう既にかなり遅い時間だ。
「今日は挿入はしない。さぁ 帰るぞ!!送ってく。」

ひろとタクシーに乗った。
「明日必ず電話する。」
「うん。」

そんなふうに、ひろと出会った。
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