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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

昨日、デートをした。

「どこに行きたい?」と言われて答えたのは、
静かな山寺。

大きな寺ではないものの、広い敷地には川が流れ、
京都風の品の良い風情を楽しめる。
以前からここが好きだった。

数年前、ひろとここに来た。
川沿いの道を歩くのも、石段を上るのも
全部私がイニシアチブをとった。
おみくじなんかひかない。
ただ、静かに歩いただけだった。
石段を上るひろは息が上がり、「まだ歩くの?」と言う。



そんな思い出のファイルが昨日、上書きされた。

常に彼は私の手を引き、ペースを合わせてくれる。
本堂にお参りしたあとは「姫ちゃん、勝負だ」と、
おみくじの木箱に二人分の2百円を入れた。

私も、彼も「中吉」。
「ドローだ。」

「愛しぬくべし、って書いてあるよ。」
彼はおみくじを私に見せた。
「恋愛」のところに、そう書いてある。


本堂を下り、川沿い道を進むと、長い石段がある。
「これは結構な石段だね。どのくらいあるの?」

「私がハァハァするくらい。」

「そうなんだ・・・」

石段をドンドン上っても、彼は息が乱れない。
「ハァハァしない?」

「ぜんぜん。姫ちゃんは?」

「ハァハァしてきた。」
私がそう答えると、手を引き上げてくれる。

石段を上りきると、三重塔とお堂がある。
再び息を整えて石段を下ると
「駆け下りる競争しよっか。」

「無理だって。膝にきちゃうよ。」
軽快に石段を下る彼を頼もしく思った。

コートの下が汗ばんだので、脱いで手に持つと
それまで肩にかけていた私のバッグを彼が肩にかけた。


私は女のバッグを持ってやる男が嫌いだった。
ひろにもそう言っていたので、よほどの重い荷物でない限り、
私の荷物をひろが持つということはなかった。


彼はあまりに当たり前に私のバッグを肩にかけたので、
何も言わず、ただ、嬉しいなとだけ思った。
「ありがと。」

「姫ちゃんは俺のお姫様だから。」


こうして、昨日、一つのファイルが上書きされました。
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