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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

ひろは二人の子供の父親でもある。
この春、娘さんが大学を卒業する・・・はずだ。

去年の夏、ひろは自分の人脈を活かして
就職活動に協力していた。
協力といっても、恐らく勝手にしていたのだろうが。
けれど、娘さんは自力での就職を望んだようだ。

ひろが言った。
「娘が・・・就職決まってないと思うんだ。」

「え、そうなの。卒業式はもう終わったよね。」

「分かんない・・・」
ひろの表情が曇った。

「まぁ、自立できる年齢なんだから。
親は親として存在するだけでいいんだよ。
何かしてあげることが親じゃないと思うよ。」

「兄貴がさ・・・
”無事卒業しました。ありがとうございました。”って
挨拶に来たか?!って聞くんだよ。来てないって言ったらさ、
”お前の娘だもんな・・・”って。」

ひろの息子さんはお店をたまに手伝うことがあるので
何度か見たことも話したこともある。
娘さんは偶然にすれ違ったり、チラっと見たことがある程度。

去年、ひろが倒れた時には、子供たちは来たようだけれど
先日の入院、手術の際は一度も来なかった。
ただの一度も。二人とも。
それだけ、親子の関係が希薄ということ。


「そんな、挨拶になんかこないよ・・・
その年齢なら、そんなこと当たり前だと思ってるよ。
それに・・・そういう娘さんに育てたのはひろの責任。」
ちょっとだけチクリと言った。
だから、すぐにフォローした。

「もう子供の年齢じゃないし。大人だよ。
自分で何でも決めて、生きていける年齢だよ。
助けてって来た時には、その時できることを
やってやればいいんじゃないの?
アレコレ世話を焼くことが愛情じゃないから。」

「そうだよね・・・ありがとう。」
ひろは寂しそうに微笑んだ。


ひろは子供たちが高校に入るのが決まった年に
離婚している。
養育費、学費という多額の経済的負担がある。
以前、聞いた時に確か相当な額だと感じた。
お金がなくなれば、ひろに連絡をしてくる子供たち。
ひろは要求を拒むことはない。

何だかそれが愛情の丈だと思っているよう。

ひろだって、きっと色々と思うに違いない。
そして『いい父親』になりたかったはず。
子供たちが幼い頃はどうだったか分からないけれど
ひろは家庭を顧みなかったはず。

ひろから『父親らしさ』は感じられない。
ひろと子供たちの関係に愛を感じない。

もちろん、切っても切れない縁があるのだけれど
もちろん、姫がとやかく言えることではないけれど
ひろの寂しさは、やっぱりひろ自身が
作り出してきたものだとつくづく思う。

姫は母親だから、父親としてのひろの苦悩は
分からない。
でも、もし、姫の子供の父親がひろだったら・・・
ちょっと複雑だな。
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