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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

今、一人お部屋に居る。
さっきひろをお店に送り届けた。

ひろは今日もまた絶不調で
一緒に居ても、ほとんど心ここにあらずだった。
それは仕方がない。

仕方がないことは分かってはいる。

分かってはいるが、心穏やかにひろを受け止められない。

姫を構う余裕などあるはずもなく、
本当は一人で静かにしていたいのだろう。
ひろだって体調さえよければ姫と日がな一日体を重ねたいはずだ。

けれど、ベッドに横たわるひろは
姫に触れもせず、じっと目を閉じている。

「寝ないで。寝ちゃダメ。寝たらコチョコチョするよ。」

「寝ないよ。」

「『頼むから寝かせてくれ』って言ってもコチョコチョだよ。」

つい、そう言って意地悪をしてしまう。
いや、意地悪をするつもりではなく、
ひろに構ってほしいだけなのだ。
構えないのなら、「愛している」と言葉をかけて欲しいのだ。
わがままなのは分かっている。

でも、姫の心は悲鳴を上げそうだ。
背を向けて眠るひろに、優しくなんて出来ない。
それが正直なところだ。

ひろの背を見ていると、涙が溢れそうになった。
・・・このままだと泣いてしまう。
泣けば、ひろを苦しませる。
ひろを責めてしまうことになる。

潤む目を瞬きせずに開いて乾かした。
泣いちゃいけない。

ひろは姫の気持ちを十分に分かっているはず
なのに、それを確かめたくてつい言葉にした。

「ひろは姫のことだけ考えてて。他のことは考えないで。
姫と死ぬまで一緒にいるためにどうしたらいいかだけ考えていて。」

「そんなこと簡単だよ。大丈夫さ、考えなくても。」

「難しいよ。簡単じゃない。姫の心が離れないようにして。
姫の心が離れないよう、ひろが努力して。」
滅茶苦茶なことを言った。




最近、「僕にもっと優しくして。」と、
事あるごとにひろは言う。

ひろは姫に甘える。ひろが甘えれば甘えるほど
姫はお母さんになる。
お母さんになんかなりたくないのに。
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