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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

そういえば、随分前にこんなことが。


今年の1月か2月のことだったろうか。
土曜日の朝、私は長男を予備校に送るため、
ターミナル駅のロータリーに車を寄せた。

助手席から長男が降り、
後席の荷物を取り出して、「行ってらっしゃい」と
送り出して、発進しようとミラーを見た時、

Nちゃんの車と同じ青い車が見えた。
同じような特徴を見て取ったけれど、
ミラー越しで、
「あ、ノリちゃんの車と似てる…」
そのくらいで、気にも留めなかった。

ロータリーを出て、走っていると電話が鳴った。

「姫ちゃん、おはよう。
いま、息子を駅まで送ってきた。」


「あ!あれ、Nちゃんだった??
似た車だなぁ……って」

「全然気付かないんだもん、姫ちゃん…
オレ、手を振ってたのに。」

「マジで??全然気付かないよ。
まさか居るとは思わないしさぁ〜」

「今どこらへん?」

「会社の駐車場の近く。
ねー、来て。すこしだけ、ここに。

「うん、分かったよ」

それで、私のオフィスの駐車場に
彼は来てくれた。
私はスッピンでニット帽、眼鏡をかけ、
パジャマ姿だった…や、やばい、、、、、

「エヘヘ…パジャマだよ、私。
誰にも逢わないと思って…
まさか、Nちゃんに逢うとは…」


「オレは姫ちゃんがロータリーに入るところから
知ってるよ。信号待ちしてたら、姫ちゃんの車が
目の前にいた。ナンバーですぐ分かった。」

「えー!すごいね。全然気付かなかったよ」

「姫ちゃん、ドンマイ!」

「ギューして」
ほんの10分くらいだろうか。
ひと時の偶然の幸せを感じた。

その日は、お昼からデートの約束をしていた。
朝のうちに「待ち合わせは正午」と
決めていたのだ。

だから、Nちゃんと逢うのは得した気分だった。

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今日のこと。
今日はすごく奇跡的な偶然があった。


月曜日、Nちゃんからのメール
「そうそう、土曜日、職場のボウリング大会
をすることになったよ。◯◯で。」

「え?◯◯。△の?」

「そう、△の」

「何時から?」

「4時から」

私はそのボウリング場でイベントの仕事があり、
お昼前から夕方まで居る予定になっていた。
そのことは随分と前から決まっていたので、
Nちゃんも知ってはいたが、彼がそこで、
ボウリング大会をすることになったのは偶然で、
部下がボウリング大会と宴会を決めたという。

「Nちゃんも参加するの?」

「うん…立場上…」

「わー!でも私は4時には終わるから、
入れ替わりだね。でも、私を見つけて!」

「うん!姫ちゃーん、って叫ぶよ」

「そんなこと絶対にしないくせに」

「そんなことないよ」

「でも、とにかく私を見つけて!」

「任しとき!」



そして、今日のお昼前、
「行ってきます」とメールをすると、

「行ってらっしゃい。あとでね」と、
Nちゃんから返信があった。

仕事でバダバタとし、ふとスマホを見ると
「どんな感じですか?」とメールが来ていた。
15分ほど前のメールだった。

「順調だよ。すこし押してるけどね」

そして、私はまた仕事をしていた。
少しして、ふと前方に目をやると、
どこかで見た顔が……
ん??

Nちゃんだった。
あまりの突然にすぐには彼だと気がつかなかった。

「わ!びっくり!」

「行くよ、って言ったじゃん」

「そうだけど…来るとは思わなかった」

「だって、オレはどうせ4時に待ち合わせだから」

「ついで?」

「うん!」


恥ずかしくて、周りの目を気にしながら、
Nちゃんと話した。
誰ももちろん彼のことを知らない。

イベントの参加者の一人だと思われただろう。

こんなに近くにいるのに触れない。
Nちゃんももちろん私に触れない。


「もう終わってるかと思ったけど」

「うん、予定より押してるんだよ」

「まだ大丈夫なの?」

「うん。ねぇ、Nちゃん、ちょっとちょっと…」
私は彼の腰のあたりに少し触れて、
みんなから離れた。


「靴を履き替えたくて」
と口実にしながら。



ボウリング場の入り口付近まで移動して、
ほんの5分ほど、並んでまた話した。
話すことしかできないから。

「あ、もう行かなきゃ…。行くね。
Nちゃんは4時からだよね。
こっそり見てから帰るね。」


私は仕事に戻り、Nちゃんと離れた。
でも、離れたところから、こっそり様子を伺った。


しばらくすると、
階段の上にいた私の下を体育会系の数人が通った。
あ、きっと…

Nちゃんも続いて通り過ぎた。
やっぱり…この集団か…

ドキドキしながら、階段の上に留まっていると、
通り過ぎたはずのNちゃんが、戻って
階上を見上げた。

私の気配に気付いたのだろう。

「もう終わり?」

「うん、あともう少しかな。コッソリ見とくね!」

それでNちゃんは、私から離れたところに行った。
こんなに近くにいるのに、離れている。


片付けを終えて、スタッフと階段を下りながら、
Nちゃんを見たら、目があったので、
そっと手を振った。
それにはNちゃんは何も応えなかった。
ただ、私を見ただけだ。



「お疲れさま。私はみんなと帰るね。
楽しんでね!」

後ろ髪も、何もかもを引かれながら、
私はボウリング場を後にした。





本来の待ち合わせ時間より1時間以上も早く、
私を見つけるためにNちゃんは来た。
私に逢いに。

声を掛けづらかったろうに。
それでも私を見つけに来た。


Nちゃんがボールを投げる姿を、
声は聞こえないが、仲間と談笑する姿を
遠くに見た。


それだけでドキドキして、
それだけで幸せだった。


後ろ髪は引かれたが、
Nちゃんが私の求めに応じて、
ちゃんと「見つけに来てくれた」。
それが嬉しかった。


こんな偶然、
二度とないだろうから。





今週の土曜日、つまり今日は、
私に仕事が入っていた。
だから、週末のデートは日曜日となるはず、
だった。

そして、その日曜日はおよそ1ヶ月ぶりに
Nちゃんと交わる、そういうつもりだった。

今週は火曜日の夕方、
「これから帰るよ」のNちゃんからのメールに、
ダメ元でこう返した。
「今夜、逢えないかな?逢えると嬉しいな。」


数分後、電話が鳴った。
「いいよ。大丈夫だよ。」
そして、私はオフィスのすぐ近くで、
Nちゃんの車で拾ってもらった。

その夜はオープンしたばかりの
お洒落なカフェで、私は少しの食事をし、
2時間ほど過ごしてバイバイした。

翌日の水曜日の夜、
「姫ちゃん、週末なんですが…」
で始まるメールに私の心はざわついた。

「土曜日はボウリングと宴会、日曜日は
娘が帰ってくるので迎えに行かなくちゃいけない。
逢う時間が取れそうにない…
明日なら逢えますが、いかかでしょうか?」

いかがも何も…
私は日曜日に逢えるものだと思っていたので、
ものすごく落胆した。
Nちゃんが代替案を出してくれたことになんて
ちっとも目が行かず、日曜日がダメになったことで
私の心はいっぱいだった。

私は後回しなんだ…
私は優先されないんだ、と。

でも、私に選択の余地はないのだ。
だから、精一杯平静を装って、こう返した。
「じゃあ、明日、しよう。」

しばらくして、
「うん❤️」と返事が来た。


…私は「しよう、しよう」
そればかり言ってる。なんと卑屈な。


「Nちゃんは、仕方なく私に合わせてる?
妥協して、無理していない?」

「してないよ。
オレはいつだって姫ちゃんとしたいよ」

「私とNちゃんはちゃんと通じ合ってる?
私はNちゃんの気持ちが分かってて、
Nちゃんには私の気持ちが分かってる?」

「うん。」





そして、木曜日の仕事終わりの6時前、
電話が鳴った。
「今から帰るよ。6時45分には行きたいな」
私はそのままオフィスに留まり、お迎えを待った。

まだ明るい。
いつもと違う時間に心が躍る。

「どうする?ご飯食べる?」

「うん…時間大丈夫なの?」

「なんか食べたいでしょ」
カフェで私はパニーニを、
Nちゃんはカレーを食べた。

食べ終えると、Nちゃんは膝をポンと叩いて、
伝票を持って立ち上がった。

住宅街マンションの林立する中のホテル。
平日の夜だというのに、空室は2つ。
高い部屋しか空いていなかった。

部屋は清潔で広く、シティホテルのよう。
ダウンライトの中を進んで、バスルームのドアを
開けると、そこは外。
「わー!お風呂が外にある!!」

「露天風呂だ、高いはずだよ」

ゆっくりと戯れながらお風呂に入り、
いつものようにゆっくりと交わった。

「あぁ、明日が休みだったらな…」
Nちゃんはそう呟いて、ゴロンと仰向けになって
目を閉じた。


無理してるんだろうな…
眠くて疲れてるのだろうに。
私が「しよう、しよう」と言うお陰で、
余分なお金を使わせ、気を遣わせ、
くつろぎの時間を奪ってる。


そう思うと、Nちゃんの愛撫も何もかも、
義務的な気がして…
私の心は乾いていた。


なんだろう、この消化不良な気持ちは…
こんな気持ち、
Nちゃんには決して言えないけれど…

そもそも…だ。
私がこんなにもNちゃんに求めるのは何故か。

それは、やっぱりNちゃんが性的に
淡白だからなのだと思う。
彼は「違う」と言うけれど。


それは、ずっと前から感じてた。
隔週くらいのペースでホテルには行く。
ホテルに行けば、普通に交わる。
上になり、下になり、汗にまみれる。

けれども…
Nちゃんは絶対に我を忘れない。
いつもクールに私を観察し、
クールに行動する。

乱れるということがない。
快楽に溺れ楽しむということもない。

だから、なんか、
いつも私一人が快楽を追求しているような、
そんな気がしてくる。

それで、私の気持ちが萎えてくる。


その萎える気持ちを打ち消そうと、
私なりにNちゃんをこちら側に引き込もうと
してはみたが、一度も出来たことはない。


だから、「したい、したい」と、
私が一人、淫乱に、とち狂ったように
訴えているような気がして、自分に引く。


それに…
Nちゃんとの性的な相性は全然良くない。
こんなことは絶対に言えないが。

私がそれほど気持ちよくないから、
Nちゃんだって気持ちよくないのかも……


そんなはずはない…
と思う焦りが、私を余計にとち狂わせる。
求めて求めて、これでもか!と。


心は満たされる。
充足感に包まれてはいるが、
でも…

心の中には消化不良の何かが堆積している。
私の「したい、したい」という訴えは、
結局、消化不良な結末を迎えた。

というのも…


「うやむや」の記事を書いたあと、
つい、私は調子に乗って、Nちゃんに
気持ちを吐き出し過ぎた。

Nちゃんが「うん、そうだね」と
私の気持ちにただ共感してくれれば、
綺麗に話を収めることができたのに、
現実はそうはいかなかった。



「私はNちゃんともっとしたいんだもん!
抱き合って確かめ合いたいんだもん。」
そんなことをメールで送った。

しばらくのちの返信に、私は言葉を失った。

「オレだって、いつも姫ちゃんとしたいよ。
セックスは大事なことだよね。
でもね、オレは姫ちゃんと、もっと色んなことを
共有したいんだよ。
一緒に手を繋いで出掛けたり、
一緒に美味しいものを食べたり。
それにね、お金のことを言って申し訳ないけど、
ホテルに行って、ご飯食べて、お茶して、一万。
毎週のホテル代はキツいよ。
だから、隔週くらいでいいかなと思ってた。
求めてないわけじゃないんだよ。」



……
何も返せなかった。返す言葉がなかった。

Nちゃんとのデートで私が支払うことはない。
食事も、お茶代も、何もかもNちゃん持ちだ。
そのことは、常々申し訳なく思っている。
本当だ。

でも、なんか、、、
私が支払うことは、Nちゃんの「男」を
下げるような気がして、どうしても出来ない。

それでも、これまで何度かは私が支払った。
有給を取って朝から遠出したデートのランチ。
それから、私のワガママに応えて突然決まった、
平日の夜のデートのディナー。
「今日は私が!」
そう申し出た。


でも、そのほんの数回だけで、
あとは全てNちゃんだ。

いつもいつも、申し訳なく思っていた。


「毎週って言ってるわけじゃないよ。
それにお金のことは申し訳なく思ってる。」
そうぶっきらぼうに返した。



あぁ…
突き詰めちゃいけないことを
突き詰めようとするから、こうなったんだ。
こんな結末…


しばらくして、
「ごめんね、Nちゃん」とメールした。

「オレこそゴメン。お金のことなんて
言いたくなかった」

「ううん…私が言わせてしまったから。」




あぁあ…




結局うやむやだ。


昨日の夜、どうしようもなく寂しくて、
Nちゃんに逢った。


日中のメールは返したり、返さなかったり、
無言の抗議を続けてはいたのだけれど。

夕方、何となく思い立って、
「今から帰るね」とメールした。

いつもは、18時を過ぎる頃、
Nちゃんから
「お疲れさま!仕事終わって今から帰るよ」と
メールがある。


しばらくして、
「お疲れさまでした。気をつけて帰ってね。
オレはただいま」と返信。


言いようもない気持ちを抱えて帰宅した私は
「ただいま」とメールした。


誰もいない家に帰り、
ベッドに腰掛けて、一人考える。


この悶々とする気持ちや、
あれこれの要求をNちゃんにするべきなのか、
それとも、もうこのままやり過ごそうか。

そう考えている内に、
ふと、Nちゃんに逢いたくなった。
逢いたい気持ちが沸き起こると、もう
居ても立っても居られない。
キリキリしてくる。

「Nちゃんにあいたい」
変換もせずにメールを送ったのが19時半。

10分経っても、20分経っても返信はない。
これは故意だろうか…
意図して返信してこないのか。
30分、40分経ち、
「もういいよ、忘れて」と、
メールを送りつけようかと思ったがやめた。
これはタチが悪いだろう。

一時間以上経過した20時40分ごろ、
ようやく「あいたいね」と返信があった。

だから、私はなりふりかまわず、
「今逢いたい」と送ったのだ。
もうこの時間、難しいに決まってる。
ほとんど諦めていた。

「明日じゃダメ?」
Nちゃんから、そう返ってきたので
再び畳み掛けた。

「今、逢いたい。逢いにきて。」


「腰が痛くてね…」
とNちゃん。


そっか…仕方ないか…
そう思って
「うん…今逢いたかった…」と返すと、

「じゃあ、○○に来れる?」
そして立て続けに
「じゃあ、こらから○○に行くね!」
とメールが届いた。


あまりの驚きに慌てて、
ベッドから立ち上がり、バッグを持って
階段を下りたら一段踏み外し、膝を強打した。


時刻はもう21時前だ。
平日の夜は早ければこの時間にバイバイすることも
あるので、まさか、この時間に
Nちゃんが出てくれるとは思わなかった。


「無理だよ」とも、「もうこんな時間だから」とも
何も言わず、
私の返事も待たずに、待ち合わせ場所に
向かってきてくれることが、私にとって、
Nちゃんの答えの全てだった。


一昨日髪を切った私。
「髪切ったよ」とメールをしてあったので、
知らせてはいたが。

車から降りると
「夏らしくなったね」と、私に歩み寄ってきた。

カフェに入ると、
「いいじゃん。短いのも可愛いよ。
似合ってるよ。」
そう言って、Nちゃんは私にスマホを向けた。



私の悶々とした話は、全くしなかった。
ただの一言も言わなかった。
どう話していいのか分からなかったし、
もういいかな、とも思った。

Nちゃんも、何も言わなかった。


ただ、別れ際、車の中でハグをした時に、
「さびしかった」と私が言うと、

「姫ちゃんが『ほっといて』って言うから…」と
静かに言いながら私の頭を撫でた。



それでいいなと思った。

何にも解決してはいないけれど、
また思うところがあったら、その時に伝えよう。


うやむやだけれど、
消化不良ではないから。


きっと、私は欲情した気持ちを
どうにかしたいだけじゃなく、
Nちゃんの気持ちをとにかく確かめたかったのか。

自分でもよく分からない。


ついさっき、生理が始まった。
ほら、やっぱり。
だから、欲情も収まったんだ。