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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

Nちゃんの誕生日。
私のお気に入りの中華レストランの
ランチを予約しておいた。

お昼前に待ち合わせをし、すぐに
プレゼントを渡した。
その場で開け、中身を確認する。

耳かきと、孫の手と、ルーペ付爪切り。
「お、チタン!」
リクエストのあった耳かきは、和釘の職人が
手造りでつくるもので、桐の箱に入ったもの。
鉄とチタンがあったが、少しお高いチタンにした。

同じくリクエストのあった孫の手。
「すっごく良いらしいよ。大江戸温泉物語でも
人気らしい。」
「へぇ~」

「で、これは?」
「それは、おまけ。」

ゴソゴソと開けて、レンズを発見。
「なに?」
「足の爪切るの大変だって言ってたから。」
「オレが?」
「そう、オレが。手の爪は無印のを
使えばいいんだけど、足の爪はこれを。」

Nちゃんは無印良品の爪切りを
いたく気に入っている。

「ほら、拡大すれば、難なく切れるでしょ。」

「ありがとう、姫ちゃん。」

そして、最後にカードを開いて目を通した。
そんな私を前にして読まなくても・・・
と思ったが、彼はいつもそう。
「・・・ありがとう、姫ちゃん。」
Nちゃんは私をハグした。


レストランに移動して、車を止めると、
Nちゃんが怪訝な顔をした。
「どうしたの?」
「ブレーキの警告灯がついた」
「そうなの?大丈夫?」
「分かんない」

ゆっくりと食事を終えて、
車に戻って、エンジンをかけると、
やっぱり警告灯が点いたままのよう。
「う~ん・・・」
「車屋さん、行ったら?」

Nちゃんはゴルフに乗っていて、
ディーラーはそこからすぐの場所にあった。
ブレーキの警告灯だし、彼も不安なことだろう。
どうしても出掛けたい場所があったわけでなく、
私はディーラーに行くことを勧めた。

「いい?」
「いいよ~」

綺麗なショールームでアイスコーヒーを
飲みながら待った。
Nちゃんと居られるのならば、どんなところだって
どんなことをしていたって楽しい。

他愛ない世間話をしながら待つことしばし。
1時間以上待っただろうか。
「時間かかるなぁ。何だろ?」
「そうだね・・・」

ようやくスタッフが説明に来ると、
手には概算見積と書かれた書類。
ん?

結局、警告灯はシステムのエラーとかではなく、
故障、つまり部品交換、修理ということだった。
しかも、概算見積の金額はおよそ40万。
「まじか!う~ん・・・」


ブレーキ自体には問題はないということで、
検討することになり、ディーラーを後にした。

「やれやれ、スゲー誕生日プレゼントだな・・・」
「たしかに・・・超高いね。」
「ぼったくりだろ。50万コースじゃん・・・
まだ買い替えるには忍びないし・・・」

「優しくしてあげてないんじゃないの?
私の扱いが日に日に雑になるみたいに。
最初だけでさ、優しいのは」

「そんなことないよ~。ヨシヨシ。」
そう言って、Nちゃんはハンドルを撫でた。

「絶対、気分を悪くしてるんだよ。
で、買い替えるとか言っちゃうから・・・」

車検は2回、5年を過ぎたところだ。


「姫ちゃん、どうする、どこ行く?」
時刻は3時。
今から出掛けるには、ちょっと時間がなさ過ぎる。

「う~ん・・・こんな時間だしね。」
「ごめんね、姫ちゃん。」
「ううん、全然!Nちゃんの誕生日だし、
Nちゃんが行きたいところに行っていいよ。」

「ほんと?じゃあ・・・」
そして、向かったのは、タイヤ屋さん。
少し前に「もうツルツルなんだよね」と
言っていた。

Nちゃんと一緒に居られるのならば、
何をしていてもいい。
彼の腰に手を当てながら、くっついて回った。
求めるサイズの在庫がなく、オーダーをして店を出た。

そして、再び車を走らせて向かったのは、
別の欧州車のディーラー。
「え?」
「気になるから来てみただけ。
買い替えるわけじゃないからね。」
ゴルフに言い聞かせるように、ハンドルを再び撫でた。

「あぁあ・・・可哀想・・・」



ショールームで嬉々としてピカピカの車を
物色するNちゃん。
営業マンのプッシュをかわし 、車に戻った。

「あぁあ、ゴルフちゃんかくんか分かんないけど、
可哀想すぎる・・・・」
私が泣きまねをすると、

「見ただけだって!そんなんじゃないからね。」
ハンドルを撫でる彼。

「あぁあ、やっぱり最初だけなんだよね・・・」

「そんなことないよ。今もずっと大好きだし、
一番だよ。タイヤも買ったし!」






まぁ、そういうわけで、Nちゃんの誕生日は
デートらしいデートではなかったけれど、
そんなふつうの一日も、嬉しく、楽しいものだった。




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昨夜、Nちゃんと2回目のレイトショーに行った。
ロクヨンの後編を観るためだ。

前編を観たのが先々週の火曜日。

つい先日、Nちゃんとはモヤモヤがあったので、
「あ~、ひょっとしたら、このまま、
わたしはロクヨンを前編しか知らずに終わるのか」
とも、思っていたので、まぁ、良かった。

きっと、それはNちゃんも同じだっただろう。
言葉にはしないが、そんな気がする。


レイトショーは20時30分~。
前編の時は、映画の始まる1時間前に待ち合わせて
お茶をしたのだが、今回 、
Nちゃんが待ち合わせ場所に来たのは
20時のほんの少し前。

それでも、彼は仕事を終えて帰宅し、夕食を食べ、
おそらく、洗い物を済ませて
急いで来てくれたと察するので、
心から「お疲れさま、ありがとう」が言えた。

彼なりに、私のために努力してくれている。
それは間違いないと思う。


コットンニットのワンピースを着ていた私に
「姫ちゃん、綺麗だよ」
とNちゃんは腰に手を回した。

そして、私を先に歩かせてスマホで写真を撮った。


映画が始まるまでほんの30分しかなかったが、
タリーズでコーヒーを飲んだ。
そこで 、私は昼間に仕事であった腹立たしい話を
一気にまくし立てた。
「めっちゃ、沸騰したよ。でね・・・」

身振り手振りで話す私がおかしかったのか、
Nちゃんは私にスマホを向ける。
「何?」
「ううん…何にもない…」

きっと、ワァワァと話す
私の動画を撮っているんだろう。
もうっ…



映画館はパラパラとしか人がいない。
中央の座席に座ると、Nちゃんは私の脚を
スリスリと触る。
彼は、パンストフェチなのだ。

それもあって、ストッキングを履いてきたのだが。

Nちゃんの手は奥に進む。
「奥につっこみすぎ!」
「だめ?」
「だめ。」

映画の間、私の右に座る彼の左手は
私の太腿に乗せられて。
私はNちゃんの腕にしがみつくように絡まった。

途中、そっと彼の横顔を見る。
そっと見ているのに、すぐに気付いて私を見返す。

じっと見ていたいのに、仕方なく微笑んで、
私は前を向いた。
なんと、幸せなひと時か。





帰り際、シネコンから駐車場に通じる階段で
Nちゃんは突然立ち止まって、くるりと振り返り、
私をぎゅっと抱きしめた。
それが、嬉しくて、私は彼にしがみついた。

こんなに 夜遅い時間なのに…
一緒に寝られない寂しさ。
一緒に帰れない寂しさを噛みしめた。

「Nちゃん、ありがとう」
「なにが?」
「一緒に映画に行ってくれて。」
「レイトショー行きたいって言ってたでしょ。」
「もう忘れているかと思った。」
「まさか!」
「ありがとう…」
「また行こうね。」

そして、もう一度最後に
ギュッとハグをしてバイバイした。
もうすぐNちゃんの誕生日だ。
プレゼントは少し前の記事にも書いたように
”じいさんグルーミングセット”として、すでに、
用意をしているのだが、
さすがに、そのまま渡すのは
色気がなさ過ぎると思い、
さっき、Loftでラッピング用の袋と
バースデーカードとプチプチの緩衝材を買った。

そして、今、パソコンに向かい、
右下のタスクバーに表示される日付を見て、
あ、と思った。

6月22日か…
ひろの誕生日だ。


って、別にそれだけ。
ただ、この日付に、何だか覚えがあって 、
気付いただけ。

それ以上でも、以下でもない。
久しぶりに眠れない夜を過ごした。
というのも…


昨夜のこと。
ほんのささいなことで、
(私はほんのささいなことだと思っている)
Nちゃんと行き違いがあった。

いつも言われる「素直になれ」を
自分なりに遵守して、昨夜も自分の気持ちを
素直に表現するように心掛けた。

なのに…


Nちゃんの心の状態もそもそも良くなかったのか、
彼からの反応は冷たく、拒絶感が露わになったものだった。
メールには、もちろん絵文字はなく、
絵文字はおろか、言葉はですます調の丁寧語で、
私を突き放すような言葉が並んでいた。


私はいつもと同じように、”ほんの少し”
グズグズを言っただけなのに。


冷たい言葉の羅列に、震えるような気持で、
「ひどい言い方…」とだけ返した。


それに対して返ってきたのは
「言い方がひどいなら謝ります。ですが・・・・」
”謝ります”とあるのに、全然謝っていない。
さらに冷酷な言葉が並んでいるだけだった。

もう一度
「ひどい言い方」と送り、

「そんな冷たく、ひどい言い方をする
Nちゃんは嫌いです。」と続けて送った。



そして、Nちゃんから届いたのは、
「ごめんなさい。嫌ってくれてかまいません。
今日のオレはどうかしてるから。おやすみなさい。」
だった。


『嫌ってくれてかまいません』・・・・・か。




もうダメだな。
瞬間的に思った。
涙は出たが、無駄な抵抗をしたくないという
気持ちの方が強かった。


Nちゃんの私に対する愛情や優しさは
時間と反比例してこうやってすり減っていくんだ。
結局、ほかのオトコと同じ。
最初だけなんだ。


こうやって不機嫌さを露わにして私にぶつけるんだ。


そう思っては、色々なことを考え、
結局眠れぬ夜を明かした。




朝になってNちゃんからのメールはくるだろうか。
午前7時半を過ぎ、いつもの時間におはようの
メールはない。

そうか、そのつもりか。
私からも何にも連絡するもんか。
これで終わりになったって、いい。

そう思いながら出勤の支度を整え、
家を出て車に乗ってオフィスに向かっていると
午前8時半過ぎ、メールが届いた。



「おはよう、姫ちゃん。昨夜はごめんね。」
もうすぐNちゃんの誕生日だ。
誕生日プレゼントを何にしようか、
私はもうずっと、何か月も考えていた。

Nちゃんは、自分の持ち物に関しては
本当にこだわりの強い人で、
それは、随所から感じ取られる。

だから余計に、下手なものをあげられない。

去年は、誕生日前に
「ロクシタンのフレグランスでオススメある?」
とたまたま聞かれたので、
「じゃあ、私にプレゼントさせて」と、
ロクシタンのアレコレを誕生日プレゼントにした。

喜んでくれたかどうかは分からないが、
時々そのフレグランスをつけてくれているので、
まぁ、気に入ってはくれたのだろう。


で、今年はどうするか、だ。

Nちゃんは無類の文房具好きで、
文房具屋さんに行けば昔からワクワクするという。
よーしと探してみたもののピンとくるものはなく。

そこで見つけたイタリアのNAPKINのペン。
車好きのNちゃんが喜びそうな車のデザイナーが
デザインしたペンだが書き心地を試してガッカリ。
全然ダメだった。

フィッシャーのインフィニウムという、
インク切れをしない永久保証のペンもいいなと思ったが・・・
どうもしっくりこない 。

Nちゃんはブランドに騙される人ではない。
機能性も相当重視するに違いない。
気に入らないと絶対使わないのは目に見えている。


あぁ・・・
そこで、仕方なく聞いてみた。
「ねぇ、ねぇ、誕生日プレゼント何が欲しい?」

答えは、案の定。
「姫ちゃん!」だった・・・・・・・

「いや、そうじゃなく。
それはもう既にNちゃんのものだから。
真面目に答えて。今週中に。」


そして返ってきた答えが、こうだ。
「欲しいものあった!耳かき~」



え?耳かき??
そういえば、少し前に 、NHKのあさいちで
和釘の職人が作る耳かきが紹介されていた。
そのことをNちゃんに話したんだった。

「ほかには?」

「ほかには…う~ん、じゃあ、孫の手!」

「え??孫の手?」

「うん。家にも、職場にも置いてるんだけどさ、
イマイチなんだよ。かゆいとこに届かない、
っていうか。」


というわけで、以前に、ブロ友さんの記事で
紹介されていた孫の手を検索。


耳かきと孫の手かぁ・・・
これだけじゃあなぁ、と色々探していたら。
見つけました!

ルーペ付爪切り。


前に、Nちゃんが言った。
「足の爪切るの苦労した・・・(>_<)」

「まさか?老化現象で?」

「そうとも言う・・・」


必要なものはそうやって発明されていくんですね。
爪切りにルーペが附属したもの、
しかも、お腹が出たメタボな人でも
足の爪を切りやすい
工夫をされた爪切りがあるんです!
(Nちゃんは老眼だけ。メタボじゃないんだけど。)


ということで、今年の誕生日は
「耳かき、孫の手、ルーペ付爪切り」
をプレゼントすることになりました。

何というか・・・
これって、
すごい「じいさんのグルーミングセット」
だよね。アハハ・・・・・


Nちゃんが私にしてくれることで
嬉しいな、有難いなと思うことの一つに、
『分かりやすい表現』がある。

とにかく、分かりやすい愛情表現をする。
屈折することなく、とにかく真っ直ぐに、
私に愛情表現をする。

「好きだよ」
「愛してるよ」だけじゃなく、
私の気持ちに寄り添って、
きちん言葉にしてくれる。

なかなか「ごめんなさい」が言える
シチュエーションでなくても、
Nちゃんは私に「ごめんなさい」と言う。

私を寂しくさせないでよ!
と、言うと、
「うん。努力する。」と、答える。

「ほんとに?」
と、聞くと、
「一生懸命努力してるし、もっと頑張るよ。」
と、答える。


そして、本当に努力してくれているのだろうなと
思えるように、行動で示してくれる。


そこまで言うと、なんだか卑屈に聞こえるが、
決してそうではなく。
それがNちゃんの私に対する愛情表現で、
精一杯の誠意なのだろうと思っている。


そんなNちゃんが私は、たまらなく愛おしい。
何かのコラムに書いてあった。
『好きな理由を言える内は、
本当に好きになっていない。』

つまり、本当に好きになったら、
『好きな理由』なんて、言えないのだろう。
何故好きだか分からないけれど、好き。

確かに、『好き』って、
単純な理由ではないと思う。

カッコイイから、優しいから、
何でも言うことを聞いてくれるから、
お金持ちだから、頭がいいから、
そういう、いわば利点で『好き』と
思えることもあれば、
何故だか分からないけれど、
たまらなく『好き』と思うこともある。

理由は説明できない。
というか、挙げればキリがなく、
感じているニュアンスを正確に言葉に
するのが難しいことだってある。


Nちゃんとの会話で、頻繁に交わすのが、
「好き?」「うん、大好き!」
「どのくらい?」「ものすごく!」
「どこが?」「全部~」

まぁ、他愛ない戯言ではあるが、
私とNちゃんはいつもそうやって
お互いの必要性を確認している。


そして、時々、考える。
私はNちゃんのどこに、惹かれているのだろう。
どうしてこんなにも好きなのだろう、と。


Nちゃんは静かで穏やかな人だ。
大概の私のワガママも受け流す。
たまに、私が追い打ちをかけて自爆して、
「じゃあ勝手にしなさい」的な態度を取られる
こともあるが、そうさせているのは私のほうで。

つまり、Nちゃんは相当に忍耐の人だ。

そして、何より動じない。
取り乱したり、感情を露わにしたり、
激しく怒ったり、そういうことがない。
いつもフラットで、同じ場所にいる。

立ち位置がブレない。
だから、私は安心して頼れるし、任せていられる。

ただでさえ依存心の強い私にとって、
神様みたいな人だ。

Nちゃんがいれば安心。
Nちゃんがいれば怖くない 。
何かが起こっても、Nちゃんなら
絶対、解決してくれる。


「オレは魔法使いでも、
スーパーマンでもないから。」
と、彼は笑うけれど、

私は、心の底からそう思っている。

Nちゃんに任せておけば、私は何にも怖くない。
私は安心できる場所に導いてくれるに違いない、と。
ついさっき、Nちゃんとバイバイして帰宅した。
幸せで、素敵なひと時だった。
心と身体がジーンと痺れるくらい、
満ち足りたひと時だった。


Nちゃんの左手はずっと私の右の太ももに
乗せられ、私はその手を、腕をずっと
抱くように触っていた。2時間ずっと。

今、ここにある幸せ。
今、触れることのできる幸せ。
そんな確かな幸せを感じて、私は彼の腕を触った。

スクリーンの光に照らされたNちゃんの横顔。
誰よりも素敵で、愛おしく、
その横顔をじっと見つめて、私は口角を上げた。
Nちゃんを見ると自然に笑みがこぼれる。


この時間だけは、私のもの。
Nちゃんは私のもの。
Nちゃんを見つめる私に気付いて、
彼はニコリと笑った。
「なあに?」とでも言いたげに。



映画が終わると大きなアクビをひとつ、ふたつ。
目を閉じたNちゃんの頬を手で包むと、
安心したように私に身体を預けた。


このまま一緒に眠れたら、どんなにいいだろう。
このまま寝かせてあげられたら…

「眠そう…2秒で眠れそうだね。」

「ううん、1.5秒で眠れる」

エンドロールのなか、私は彼にキスをした。



私はNちゃんが大好きだ。

私がNちゃんに初めて書いた手紙には、
”私がしたいこと・してほしいこと”
を列記した。

出来る時は電話をして声を聞かせてほしい、
一日掛けてお出掛けをしたい、
いつか旅行に出掛けたい・・・

その一つに
”レイトショーに行きたい”
があった。

子煩悩な父親でもあるNちゃんは
これまでに幾度も
「子供たちとレイトショーに行ってくる!」と、
私にメールを寄越した。

そのたびに、私は一人で憤り、
そして自爆していた。

彼と付き合うようになって1年半が過ぎた。
ほとんどのお願いは叶えてくれたが、
未だ叶っていないのが、旅行に行くこと、
そしてレイトショーだ。


毎週末、逢う時間を作っている私たち。
けれども、先週末は都合が合わなかった。
先週の水曜日のこと。
「姫ちゃん、日曜日にデートできますか?
○○に行きたいな。」

オープンしたばかりの海辺の施設を
挙げていた。
しかし、日曜日は私の都合が悪かった。
「日曜日は○○のライブなんだよ。
土曜日じゃダメかな?」
仕事上の付き合いでどうしても
ライブに行かなければならなかった。


「そっかぁ。土曜日は職場に
行かなきゃいけないんだ(>_<)
来週の平日の夜に時間を作るよ。」


少し前に私が”後回し”だと訴えて、
グズグズしたからだろう。
代替案を示してくれるというのは、
きっと彼なりの優しさに違いない。

それが嬉しかった。
優しさだろうし、私に逢いたいと思って
くれているからに違いないから。


「すごく嬉しい。ありがとう。」

「レイトショーに行かない?
ロクヨン観たいな。」



レイトショー、キターーーーー!


ロクヨンには全然興味がなかったが(^_^;)
とにかく嬉しくて、嬉しくて。

「うん(*^_^*)」と、返事した。


でも…ロクヨンって、前編後編があるんだよな??


「前編見たら後編も観なきゃいけなくなるよ。」
恐る恐る尋ねた。


「もちろん観るよ!」

「…私と?」

「姫ちゃんと観なきゃ、誰と観るのさ。」





というわけで、今日、
Nちゃんと初めてレイトショーに行く。

映画が始まるのは20:45らしい。
終わるのは23時前になるだろう。


「ねぇ、ねぇ。お願いがあるんだけど。」

「なぁに?」

「火曜日、出来るだけ早い時間に逢えないかな?
映画の後は時間を取るのが難しいだろうから。
映画の前に少しでもいいからお茶したい。」

「努力するよ(*^_^*)」



そして、さっき。
「姫ちゃん、お疲れさま。
今夜は19:30には○○に行けると思う。」
と、メールが届いた。




今日は仕事を切り上げて早めに帰ろう。

どうやら、仏の顔を三度どころか
何度もぶった私。

その日は、もちろん、Nちゃんから
何の連絡もなかったし、私もしなかった。

夕方も、夜も、寝る前も。


癪に障る気持ち、腹立たしい気持ち、
悔しい気持ち、悲しい気持ち。
色々な気持ちが混じり合う。


ひょっとしたら、翌朝、
「姫ちゃん、おはよう!」と
あっけらかんとメールが来るかなと思ったが、
何もなく。


考えて、考えて、
考えて、考えて、
もうすぐお昼になるころに、寂 しさに負けてメールした。
「おはよう、Nちゃん。」


「おはよう、姫ちゃん。」
すぐに返ってきた。ひと言だけだけれど。

「Nちゃん」と、送ると、
「姫ちゃん、姫ちゃん」と返ってきた。


きっと、私の出方を見ているのだろう。
しばらく、そんな牽制したやり取りを続けていると、
「何しているの?」と、彼からのメールが届いた。

土曜日に約束をしていたから、日曜日は
てっきり家の用事をするのだとばかり思っていた。

「何しているの?」
に、私は「洗濯してる。」と嘘をついた。
何故かは自分でも分からない。
いや、 何故かは説明し尽くせない。


そして、しばらくして届いた
「洗濯終わりそう?」のメールに、
私は「もう終わりました。」と返した。


そうしたら、
「○○○のカフェに行ってみない?」
と、来た。


少し前に、私が話した新しいカフェだ。


「お化粧をしていないけど、
それで良ければ、30分後に」と、返信して
私はベッドから飛び上がり、
最低限身支度を整えて、車に乗った。



待ち合わせ場所で、Nちゃんの車に乗って、
どういう顔をしていいのか分からず、
私は口をとがらせた。ほんと、可愛げのないヤツ。


「姫ちゃん、口がとんがってるよ。」
そう言って、彼は、私のとがった唇を引っ張った。


「姫ちゃん、素直になろうね。」
Nちゃんは言った。

私が答えずにいると、
「はい、は?」と、促したので、
首を振った。

「姫ちゃん、素直になれ!」


Nちゃんを怒らせてしまった。
いや、”怒らせた”という表現を使うと、
私に100%非があるように思えるので、
何だか、癪に障るが。


先週末のこと。


Nちゃんとは土日のどちらかに逢う。
といっても、ほんの半日だが。
(しつこい、か。)

いつもなら正午、あるいは12時半、
またあるいは11時半という待ち合わせ時間なのに、
その日の朝、届いたメールにはこうあった。
「姫ちゃん、今日は1330に○○でいい?」


あぁ、そんな時間に待ち合わせると、
どこにも行 けないじゃん。
どこにも行けない…
そう思って、
「え~!!遅いなぁ…」と送った。


ガッカリした気持ちと、腹立たしい気持ちで、
けれども深い意味もなく、こう返した。

「べつに今日じゃなくてもいいんだけどね。
後回しにされるくらいなら。」


そもそも、その日に、と指定してきたのは
Nちゃんのほう。
なのに、どうして私は後回しなんだ。
私としては”ふんっ”という軽い気持ちだった。

きっと彼からは「ごめん、ごめん(>_<)」
というメールが返ってくるものと思っていた。


しかしながら、その推測は
ものの見事に外れた。


「なにもそんな言い方することないんじゃないの?
後回しにしているつもりはないよ。
わかりました。申し訳ないけど、今日はやめましょう。
また別の日に。」



ガ~ン・・・・
やっちまった。


と、思っても、後の祭り。

「Nちゃん・・・せっかく支度していたのに。
Nちゃんこそ、そんな言い方しなくてもいいのに。
ひどいよ・・・
Nちゃんは言葉が足りなさ過ぎる。
嫌味な言葉にいつも嫌味を返していたら
救いがないよ。そんな仕打ちをすることないのに。」

精一杯考えて返信したが、



「仕打ちだと思ってるんだね。そんなつもりはないのに。
でも、誰しもカチンとくることだってあるでしょ。
オレだって、いつも穏やかでいられるほど、
人間出来てないよ。言葉が足りなくてごめんなさい。」

と、来た。



あぁ・・・
腹立たしい気持ちと、やっちまったという後悔と、
色んな感情が入り乱れて、私は布団にもぐった。


仏の顔も三度まで、か。