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姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

相変わらず私のローテンションが続いている。
別にこれといった原因があるわけではない。
誰のせいでもなく、もちろんNちゃんのせいでもない。

毎日、変わりなくNちゃんから送られてくる
メールさえ鬱陶しい。
申し訳ないと思うが、細かにいちいち
説明するのも面倒で、
「気分が優れないから寝ます。おやすみ。」
と、早々に送る。
これがもう数日続く。


Nちゃんがそばに居てくれたら…
物理的に、精神的に彼が私を
サポートしてくれたら…
きっとどれだけ救われるだろうとは思うが、
所詮そん なことは叶うわけもなく、
いや、叶う叶わないの問題ではなく、
そもそも、私自身の、自発的な問題なんだ。


それを私は、
「Nちゃんがもっとこうしてくれたら…」
とか、
「こうしてくれないから…」
とか、
勝手にNちゃんに何かが不足しているように
問題をすり替えている。

違う。
そうじゃなくて、私自身が
『満たされていない』のだ。

自分に全く満足もしていなくて、
ふわふわと浮ついていて
足元も覚束ないから、
だから、自分に自信がないあまりに、
誰かの、何かのせいにしているんだ。



と、書きながらも、
Nちゃんがそばに居てくれたら…
私を物理的に、精神的にサポートしてくれる
そんな存在であったなら…と、
深いため息をつく。

そんなこと叶いっこないのに。


だから、Nちゃんが私に
「愛してる」、「ずっと思ってる」
「大事な存在だ」
と、言うたびに、
フンと鼻白む想いをするのである。




(拍手コメさんへ。
いつもご覧くださってありがとうございます。
私の想いに共感していただいて、嬉しい限りです。
「鬱陶しい」なんて、本人にはとても言えないですけれどね。)
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生理前だからか、更年期の症状なのか
気分の低下が著しい。
気分が上がっている時は蓋を出来ることも、
そうでない時は、つい蓋を開けてみたくなる。

Nちゃんとの関係も、随分と落ち着いては来た。
彼も私の扱いに慣れてきたことだろう。

でも…
私はそれが嫌なのだ。
扱いに慣れてなんか欲しくない。
いつでも、ピリリと緊張していて欲しい。
それが私の我が儘であったとしても。

私が「さみしい」と言うと
「ヨシヨシ」と返す。

穏やかな彼ならではの反応が
私には物足り ない。

それで私の感情は行き場を失って
一人もがいている。

自分で自分の首を絞めている状態。
分かっている…
分かっているけれど、どうしようもない。

そんな自分が鬱陶しいが、
それを穏やかに包もうとする、
いや、そんな私をなかったことにしようとする
Nちゃんが鬱陶しい。



そんな私の想い、
Nちゃんには分かりっこないだろうな。
昨日、火曜日のこと。
Nちゃんは例によって、免停の講習に出掛けた。
丸一日の講習で、もちろん、車は使えない。
「今から電車に乗るよ」と、おはようのメールにあった。


そっか…
電車か。

免許センターへ行く電車は、私が仕事をしている
ビルの目の前から出ている。

Nちゃんがどの駅から乗るのか分からないが、
たぶん、私の職場の目と鼻の先の駅だろう。

だったら、帰りに待ち合わせることだって出来るのに。
ほんの短い時間、顔を見ることだけでも出来るのに。
ツレないよな…

そんな思いを抱えて私は仕事をした。

午後4時になる前、
「今、終わったよ!これから帰るね。」
と彼。

「お疲れさま。気をつけて帰ってね。」
と、無難な返事をしたが、内心は複雑だった。


そして30分ほどして再びメールが届いた。
「今、〇○で買い物中(*^_^*)」

私の職場からはほんの数分の場所だ。
思わず、私は
「そうなの?じゃあ、お茶しよう!ダメ?」
と送った。

すぐに「いいよ(^^)」と返事。



Nちゃんだって、きっとそう思って
近くに居ることを知らせてくれたのだろう。
そう思いたい。
確認はしなかったけれど、それは、私が仕事中だと
遠慮したからに違いない。
Nちゃんは私に逢いたいと思ってくれたと思いたい。


Nちゃんは私の職場のあるビルのロビーに来た。
私は急いで席を立ち、鏡も見ることなく、
エレベータでロビーに降りた。

心臓がドキドキする。
あまりに唐突で、嬉しくて、恥ずかしくて、
心の準備が出来ないまま。

ロビーを出る時、Nちゃんは私の腰にそっと手を回した。
嬉しくて、私の顔は上気していたことだろう。

ビルの目の前のコーヒーショップに入り、
カウンター席に並んで座った。
N ちゃんは随分鼻声で、病み上がりの顔をしている。

「土曜日はしんどかった…」
「もう大丈夫?」
「うん、ピークは過ぎたし。大丈夫だよ。」

カウンターテーブルの下で、手をつないだ。


Nちゃんはさして急ぐ様子もない。
1時間ほどして
「デパ地下でお惣菜を買って帰ろうかな」
そういう彼に、いいとこがあるよと、
デパ地下ではなく、駅のモールの地下を案内し、
手をつないで歩いた。

バスターミナルでバイバイし、私は仕事に戻る。
振り返ると、エスカレータをのぼる彼が見えた。



夜、
「今日はすっごく嬉しかった 。ありがとう。」
と、メールを送ると、

「オレも姫ちゃんに逢えて嬉しかったよ。
キスしたかったけど、まだ風邪がうつるかもだから
我慢した(>_<)」
と返事があった。

だから私も
「私はNちゃんにギューって抱きつきたかった」
と、送った。



「仕事モードの姫ちゃんはキラキラして綺麗だった。」


こんなふうに逢ったのは初めてで、
この先、同じようなことはもう二度とないかもしれない。
だから余計に嬉しくて、嬉しくて、
何度も何度もあのほんの1時間を思い返した。
Nちゃんは日曜日と月曜日に北海道に行くと言った。
彼の前任地は北海道で、そこでお世話になった方の
定年をお祝いするパーティがあるからという。

連休はNちゃんに逢えなのか…と思っていたら、
「姫ちゃん、土曜日は?」と言うので、
土曜日にデートすることになっていた。

私はてっきり、Nちゃんは日月に予定を入れたから、
土曜日は家のことをしなきゃいけないと思っていた。
きっと私を気遣って「土曜日は?」と言ってくれたのだろうが、
それがとても嬉しかった。

…のに!

金曜日の朝、彼からのおはようのメールには
「おはよう、姫ちゃん。オレは絶不調だよ。」
とあった。
花粉症がひどいのかと思ったら、
お昼のメールには「熱が出てきたみたい」と。

私は「しんどいようなら明日、逢えなくてもいいから。」
と、最大限にいい子のフリをしてメールを送った。
「気合でなおすよ」と、返事があったが、
どうにも辛そうだ。

しかも、日曜日には北海道行きを控えてる。
土曜日は用心したいだろう。

夜にはどんどん熱が上がり、
土曜日の朝、病院に行った彼。
当然、デートはキャンセルだ。
「何もせずに、とにかく寝てなさい!」と送った。

デートがなくなって、私は急きょ予定を変えて
京都行きを早め、車で妹の家へ向かうことにした。

Nちゃんは相当辛そうだ。
翌日には北海道なのに…
だからこそ、私はグッと我慢をしてNちゃんをそっとしておいた。
「私からはメールも控えるから。Nちゃんから連絡して。
夜には何時でもいいから電話してきて。大事にしてね。」


夜8時を過ぎた頃、Nちゃんから電話があった。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない。」
「そっか…とにかく寝てて。明日、北海道でしょ。」
「行くのやめた。」
「え~っ!!そうなの?」
「うん…飛行機代がパーになった…」

節約のためにLCCでチケットを取ったのだ。
まさか、キャンセルしなきゃいけなくなるなんて
思っていなかっただろう。

…Nちゃんが北海道に行くっていうから、
私は京都に来たようなものなんだけど…


というわけで、Nちゃんは連休を寝て過ごした。



しかも、先日、交通事故を起こしたせいで、
色々あり、罰金も課されている。
連休明けの火曜日には免停の講習も受けなきゃいけない。

Nちゃん…
それってさ、踏んだり蹴ったりじゃない??


私って、サゲマンなのかな。
そう思って、ちょっと申し訳なく思った。
事故も風邪も私のせいではないのだが…
この連休、私は京都に出掛けた。
一番の目的は『春画展』だ。

去年の秋に東京の永青文庫で開催されていたもの。
気になっていたものの、足が向かず・・・
たまたま京都で開催されることを知って、
どうしても行きたくなった。

妹を誘ってみたが、仕事の都合が折り合わず、
また、私もなかなか踏ん切りがつかず、
このまま行けずじまいになるのかと思っていた。
図録だけでも欲しいなとネットで探すと、
えらくプレミアがついている。しょうがないか…

うじうじと決断しかねる私の背中を押したのは
Nちゃん。
いや、彼が「行っておいで」と、言ったわけではない。
Nちゃんが日曜日、月曜日と「北海道に行く」と
言ったからだ。
なぁんだ、それなら私も京都へ行ってやる!
という次第。


京都行を決めて、誰かを誘うことも
考えてはみたが、何だか面倒で、
結局一人で行くことにした。

土曜日、車で妹の家に行き、
翌朝、電車でいざ美術館へ。
久しぶりに京都の町を一人歩く。

激混みだというので、朝一に美術館に着いたが、
すでに入場制限・・・
それでも、朝一だったからか待ったのは15分程度。
小さな個人美術館なので、入場制限は仕方がない。

春画展、とても良かった。
わざわざ行く価値があった。大満足だ。
エロな結合をみんな静かに凝視して、
それが滑稽で滑稽で、私はひとりニヤニヤした。
結合にニヤニヤしているのではない。
その光景が滑稽なのだ。

老いも若きも、男も女も。
とにかくこんなに美術館に人がいるなんて!
と驚きの連続だった。

ミュージアムショップで念願の図録も手に入れた。
4千円とお高いけれど、これは絶対買わなきゃ。
素敵な装丁で、クールなデザインに感激した。

Nちゃんにはとっておきのクリアファイルを買った。
代表的な絵師の春画を配したもので、
もちろんモロなやつだ。

「おみやげ買ったよ!」とメールすると、
「姫ちゃん、猥褻図書所持で捕まらないかな?」
アハハ…


春画をたっぷり楽しみ、次は南禅寺へ。
目指すは、湯豆腐の老舗「奥丹」。
もちろん、一人で湯豆腐をいただく。

お腹が満たされたら、今度は永観堂を経て、
哲学の道へ。
静かで、本当に良いところだ…
銀閣寺まで進み、拝観はせずに参道だけ歩き、
また哲学の道を引き返す。
ここまで、すでに、7キロ以上を歩いている私。
もう、限界…と、若王子近くの叶匠壽庵の茶室で一休み。

南禅寺まで戻って、ゆっ くり拝観して、
今度は祇園を目指した。
知恩院を通り過ぎ、円山公園を抜ける。
本当は、ここでコーヒーを飲みたかったが、
私のお気に入りの長楽館は長蛇の列で断念。
八坂神社を素通り、祇園でお土産を買う。



私はどんだけ歩いたのか…
帰って確認してみると、10キロを超えている。
すごいぞ!私。


というわけで、色々な春を満喫した私の連休であった。
いつかNちゃんと来れるといいな…春の京都に。
モヤモヤを解決しようと思った。
だから、私はNちゃんに「Nちゃん、あのね」と
メールしたのだ。

一気にメールで送ると、スルーされてしまうこともあるので、
こうして気を持たせた文章をおくると、”聞く気”になってくれるから。

すると、当然
「なぁに?」と返事が来た。

「あのね、私、北海道に一緒に行きたかったな・・・」
と、送ると、すぐに返信があった。

「先輩と一緒じゃなかったら良かったんだけどね・・・(^_^;)
いつか色んなところに行こうね。」



そうか、一人じゃないのか。
そんなこと何にも聞いていなかったから、
私は拍子抜けしてしまった。

でも、「先輩と一緒じゃなかったら」
可能性はあったわけか。

だから、ついでに、畳みかけた。
「”いつか”って、いつ?」


別に素敵な答えを期待していたわけではなかったが、
Nちゃんからはこう返ってきた。

「姫ちゃんと一緒になったら、ね!」


”一緒になったら”か・・・・
これはNちゃんがよく言う言葉だ。
”一緒になったら”、なんて曖昧で、ミラクルな言葉だろう。
何とでも受け取れるもんね。


それで、私はこう返した。
「そんなのいつのことだか分かんないし、
実現するかどうかも分かんない!!!」

すると、案の定「姫ちゃ~ん(>_<)」
と、返ってきた。


ええい、この際、ついでだ!
そう思って、なおも続けた。

「Nちゃん、あのね。
今度、同じようなことがあったら、その時は
Nちゃんについて行く。
それから・・・前に、Nちゃんに『旅行に行こう』
って言ったら、『無理だ』って言われたけどさ、
やっぱり、行きたい。遠くでなくてもいいから。」

ずっと、心に思っていたことだ。
ずっと、Nちゃんに言いたく て、言えなかった。
「無理だよ」と、もう一度言われたら、
心が折れるような気がしたから。


そうしたら、
「うん、分かったよ(*^_^*)」
と、返事が来た。


「ほんとーに?」

「うん。ほんとに。」

「”いつか”でもなく、希望的観測でもなく?」

「うん、そうだよ。」





”うん、分かったよ”が、
いつ叶うのか、分からないけれど、
でも、きっといつか、近いうちに実現させよう。

実現する、しないということよりも、
私は、”うん、分かったよ”と言ってくれた ことが嬉しい。

あとは、Nちゃんの本気度を試そう。
あぁ、どうしようもなくモヤモヤしている。
というのも…


日曜日、Nちゃんが言った。
「今度の日曜日、月曜日、オレ、北海道行ってくる。」

突然の宣言に、
「あ、へぇ、そうなんだ…」としか言えなかった。

その後に「定年退官パーティがあるんだ。」の
言葉に続き、
「この機会に行かないと、もう会えないだろうし。」
と、あったので、そこで初めて、
出張ではなく、”私用”であることが分かった。

Nちゃんは転勤族で、前任地は北海道だった。
おそらく、そこでお世話 になった方に会いに行くのだろう。

「そうなんだ…」

私がそこで思ったのは、
「ということは、来週末、私に逢う時間は作れるのか?」
ということ。
そんなことを考えていたものだから、言葉に詰まった。

話を聞くうちに”私用”であることが分かると、
今度はまた別の感情が芽生えてきた。

前に、「旅行に行こう!」と誘ったら、
「行きたいけど、泊まりは無理だなぁ…」と
すげない返事が返ってきた。

なぁんだ、仕事でなくて私用で、そうやって
一人で泊まりで出掛けられるんだ。
だったら、私と旅行に行ってくれてもいいじゃないか!


それで、だんだん腹が立ってきた。
最初はモヤモヤとしていただけで、
次第に、それは倍増していった。


それで、今はモヤモヤ、モヤモヤの状態だ。

「ジェットスターでチケット取ったんだけどさ・・・」
全てを決めて、私に話してくれたことにも、
実はモヤモヤしている。

「行こうかな…」と思った時に、話してくれてもいいのに。
正直、私はそう思ったのだ。
全てを決めてから私に伝えてくれたことに、
言いようがない距離感を感じた。

これが夫婦なら、もっと近い距離に居る存在であれば、
全てを決めてからではなく、「行こうかな」と
< div>思った時に、伝えないだろうか。


そして、私は、思った。
もし、「行こうかな」という段階で伝えてくれていたら、
私は「一緒に行く!」と言えたかもしれない、と。
向うで一緒にいる時間は少ないけれど、
でも、いつもよりずっと長い時間を過ごせる。
特別な時間をいつもと違う場所で過ごせるのでは
ないかと思った。

Nちゃんがパーティに出ている間、
私は北海道の美味しいものを一人で食べ、
夜景を見ながら、一人飲んだくれていればいいのだから。

運が良ければ、帰る前に少しくらい観光できるかもしれない。


Nちゃんの中に、北海道に私を 連れて行くことは
考えも及ばないのだろう。
選択肢の中にはなからないのだ。

私とNちゃんは別々の生活を送っているのだから。

Nちゃんの生活の中に、私は入りようがない。
それはそれ、これはこれ。
それとこれも別物なのだから。


そう考えると、ものすごい距離感を感じて
もう、どうしようもなくモヤモヤ、モヤモヤしている。

「一緒に行きたい!」と言ったところで、
もう今更だし。
チケットも取ってあるし。
今更だもん…

それに、迷惑なんだろうし…


あぁ、モヤモヤ、モヤモヤが止まらない。



だから、今、日曜日と月曜日は京都に行ってやる!と
思っている。
ちょうど、この春、京都でやっている美術展に行きたいと
考えあぐねて、なかなか予定を決めきれなかったから。
だから、一人ででも、絶対京都に行ってやるーーーーー!!
私はなんて強欲な人間なんだろう。
次から次へともっと、もっとと求める。
一つ叶えば、またこれも…
それが叶えば、今度はあれも…
いつまで経っても足りるわけがない。

Nちゃんは、私に対して、
きっとたくさんのことをしてくれている。
たくさんのことを与えてもくれている。
気遣いもしてくれているし、
私のためにきっと一生懸命考えてもくれている。

一日何十通ものメール、ほぼ毎日の電話、
週末のうちの一日、正確には半日だけれど、
必ず私のために時間を取ってくれる。
デートをすれば支払いは全てNちゃんが持つ
だけでなく、
先日のように、何気なく突然、服を買ってくれたり、
今日だってそう…
夏に二人で受講することになった講座の
申し込みと支払いに行ったら、
Nちゃんが私の分も支払ってくれた。

そうそう、今日、ホワイトデーということで、
プレゼントももらったんだ…
大きな包みを開けて、私は「あ!」と声を上げた。
先月、テレビで紹介されて、いいなぁ、欲しいなぁと、
私が話したカトラリーのセットだった。
新潟の燕市のカトラリーで、魚がデザインされた
とても素敵なものだ。
ナイフもフォークもスプーンも全体が魚になっている。


私のために、こうやってお金だって使ってくれる。
それだけ、私のために、きっと精一杯のことをしてくれている。


…でも、
でも、やっぱり、これでも、私は足りないと思っている。


もっともっと欲しい。
全部欲しい。
Nちゃんの時間も、何もかも全部。


私に与えられるのは、
Nちゃんのほんの、ほんの一部。
Nちゃんに触れるのだって、
一週間の内のほんの数時間でしかなく。


彼は私が寂しくないようにと、
毎日、毎日メールを送り、電話をしてくれている。
Nちゃんなりに精一杯考えてくれているのは、
私を大事に思ってくれているからに違いない。
大事に思っていなかったら、きっと、
そんなふうにしないし、時間も割かないし、
お金だって使いたくもないだろう。

だから、嬉しい。
有り難いな、と思う。

でも…やっぱり、足りないのだ。

足りないと思うと、悲しくて悲しくて、
得られないことを思って涙が出る。

それで、自分の強欲さに呆れもする。


悲しくて、恐ろしい。
今日、Nちゃんと花桃を見に行った。
花は満開で、青空に映えてまぶしいくらい。

この場所に数年前、ひろと来た。
だから、もうここに来てもそのことを
思い出さなくて済むように、
どうしてもNちゃんと来たかった。

車をとめ、少し山を登る。
歩くのを嫌がったひろは「車で行けるよ」と
細い道をそのまま車で登っていくよう
私を促したっけ…

Nちゃんは、全然違った。
「姫ちゃん、ダッシュだ!」
「ぜーったいにイヤ!」
「何でだよ!ダッシュするために登りはあるんだよ」

急な登り道を、彼は私の手を引いて歩いた。
「優しいなぁ、Nちゃん」
私はそう言って、彼の手に体重を掛けて引っ張った。


登りきると、平地一面に濃いピンクの花が咲いている。
「綺麗だね」
Nちゃんは、花桃を見る私を写真に収める。

ひろは、花の写真を撮るのに夢中だったな…
あれはもう何年も前のこと。


山を降りて、私は売店のトイレに寄った。
外に出ると、向こうから、ソフトクリームを
食べながらNちゃんが歩いてきた。
「食べたかったの?」
「うん、イチゴ味」
そう言って、私に差し出した。

一つのソフトクリームを交互に食べて、
車に乗ると
「姫ちゃん、ついてるよ」
私の口元を指で拭ってくれた。
「わざとだよ」
「姫ちゃん、恥ずかしいよ」
そして、今度はハンカチで拭いてくれた。



こうして、また私の記憶を上書きした。

Nちゃんとは価値観が似ていると感じることが多い。
彼の言うことはもっともだと思えるし、
同じように、私の言うことをもっともだと感じてくれている。

私がいいなと思うことを、いいねと共感してくれたり、
彼がいいなと思うことに、私もいいねと共感できる。
他愛のないことも、実は重要で、
小さな価値観のズレが大きなズレに発展する。


先日、私の仕事である講師に出会った。
そのことをNちゃんに話すと、とても共感してくれて、
たびたび会話に上ることが多くなった。

その講師から、7月に開講する 講座にお誘いがあった。
すぐにNちゃんにも知らせ、「一緒に行く?」と尋ねると、
彼は「行く、行く~!」と即答した。

だから、7月、少し先のことだが、
Nちゃんと二人で、私は講座を受講する。
一緒に行きたいと思っていたので、
彼が同じ気持ちでいてくれたことに感激した。

講座の申し込みはネットでできるのだが、
見てみると、入力項目が多くて面倒。
しかも、二人分という申し込みはできなくて、
受講者それぞれが申し込みをしなければならない。

「すごく、面倒。Nちゃんの分も一緒に申し込もうと
思ったんだけどさ、どうやらそれが出来そうになくて。
またち ゃんと見ておく。」

「オレはオレで申し込めばいいんだよね。」

「うん。メール転送するよ、また。」


翌日、再度、申し込みのフォームを確認して、
やはり面倒さに、断念しかけ、
「やっぱ、かなりめんどくさ~い!」
と、Nちゃんにメールすると、

「オレも昨日見てみたよ。」

Nちゃんには、URLを送ったわけでもないから、
私が話した断片的な情報で検索をしたのだろう。

「良く見つけられたね。」

「名探偵だからね!店舗でも申し込めるって書いて
あったから、週末行けばいいんじゃない?」


確かに、ネットで申し込むより、結果、早いかも。
何より、Nちゃんがそう考えて、「週末行こう」と
言ってくれたことが嬉しかった。

「うん!じゃあ、一緒に行こう。」

「うん、一緒に行こう。」




同じ気持ち、同じ方向に向かって考えるということ、
同じ時間を共有できるということが、嬉しい。

もう一年も前のこと。
いつのことだったか忘れてしまったが、
落ち込んだ気分で帰宅をする途中、
たまたま信号待ちをしていた時、
目の前の高架を走りぬける新幹線に
目を奪われた。
「あ!!き、黄色い!!ドクターイエローだ!!」

見慣れた白色ではなく、黄色の新幹線に
一瞬にしてテンションが上がった。
ドクターイエローを見るのは初めてではなかったが、
それでも、何だかラッキーな気がして嬉しかった。

それで、私はすぐにNちゃんにメールした。
「今ね、ドクターイエローを見たんだよ!
すごくない??」


すると、こう返信があった。
「そうなんだ。たいしたことないな。」

細かい文言は忘れてしまったが、
とにかく”たいしたことない”と一蹴されたことは
覚えている。
何だそれ??
私が喜んでいるんだから、
「良かったね」とか、返さないか?
そう思って、抗議したような気がする。

些細なことだけれど、それをすごく覚えていて、
先日のデートの折、
二人で車に乗っている時に、目の前の高架を
新幹線が通過した。
見晴らしがいい場所だったので、つい、私は
「あー新幹線!長い~!」と発すると、
Nちゃんは
「姫ちゃんは、ドクターイエロー見たことある?」
と尋ねてきた。

だから、私はくだんの話をしたのだ。
「”たいしたことない”って言ったんだよ!ひどくない??」
「オレが??まさか?」
「ほんとなの!そう言ったの!!」
「全然覚えてないなぁ~」

「仮に、他の誰かが言ったとして・・・
そんなことを私に言うなんて、ひどいと思わない。」

「・・ひどいヤツだねぇ~。オレじゃないけど。」
「いやいや、オレだから!」
「お姫様に対して、そんなこと言うわけがない」

そんな押し問答をしたのだが、
事実、Nちゃんは”たいしたことない”と
のたまったのだ。



まぁ、別にたいしたことではないが・・・

しかし、男の人って、何故に、こうも
”負けず嫌い”なのだろう。
自分が知らないことや体験していないことについて、
ものすごく張り合ってくる。
「へぇ、すごいね」とか「良かったね」とか
ましてや「うらやましい」なんて、言わないし。
そもそも共感してきやしない。


女性の脳は”共感脳”で、
男性は”解決脳”と言われているからか。
にしても、「良かったね」と共感するぐらい、
お茶の子さいさいなのに・・・


先日、仕事で出逢った男性が言っていた。
「女性に対して、男性は、”運送屋・配送屋”
になれ!って」

つまり、女性が言うことに対して、
「うん、そうや。」
「はい、そうや。」
と、肯定する、共感するということ。

これって、こと、男性と女性の
コミュニケーションにはとても重要なことでは
ないだろうか。


と、いう話もついでに、Nちゃんにした。
「わかった~!これからそうする」と
言ってた割に、全 然、まったく出来ていないけど・・・
私はどれだけ我が儘なのか。
いや、それとも、Nちゃんが受け入れてくれるから、
それに甘んじているのか。

ちょっと襟を正さないとと、思う今日この頃。


昨夜のこと。
いつものようにメールのやり取りはあるが、
送信、返信のタイミングの間が空き、
イライラしていた。

そりゃ、色々都合も、用事もあるのは仕方がない。
けれど、それならそうと、「ちょっと待ってて」とか、
「またあとで」と寄越せば済むだけのこと。
私はそう思う。

ポンポンと調子よく、折り返し が続いている時は
なおのことだ。
突如として、返信がなくなると「あれ?」と、
思うにきまっているじゃないか。

そんなに忙しいのか?
だったら、もっと落ち着いて、自分の時間が持てる
時に送ってくればいいじゃないか!
と、一人悪態をつく私。

それは、私の我が儘か。

「ほっとかないでよ」
と、送ると
「ごめん、ごめん」と来る。

そして、しばらくして
「お待たせ」と来るのに、
また途切れる。

何が”お待たせ”だ。
待たせている感覚があるなら、
何とかしろ。


そんなこんなで
「N ちゃんなんて、大キライ。オヤスミ。」
と送ったのが23時過ぎ。

悶々と過ごしていると、それから30分後に
「オレは大好きだよ」と届いた。

そして、また途切れる。
何なんだよ!


「もう、ほんとキライ!!!!」
と送ると、しばらくして電話が鳴った。


「ほっといてないよ。」
「ほっといてるでしょ?」
「そんなことないよ。何時間もほっておいたわけじゃないでしょ?」
「でも、ほっとくな!」
「ごめん、ごめん」
「ほっといたら、嫌いになるよ。」
「嫌いになるんだ・・・」
「そうじゃないでしょ!!”嫌いになるんだ ”
じゃなくて、”ほっとかないよ”って、言ったら、
丸く収まるのに。」

「・・・フフッ、収まらないし。」
「んもうっ!」
「ほっとかないよ。」
「今言っても、もう遅いもん。」
「ほら・・・収まらない・・・」
「今、呆れたでしょ?」
「そんなことないよ」
「そんなことある」

と、延々と駄々をこねた。
駄々をこねていることは十分に分かっている。

そして、”おやすみ”と、電話を切った。
切った後に、メールが届いた。

「おやすみ、姫ちゃん。朝まで抱っこして寝るよ。」

電話の後に、こうやってメールが来るのが嬉しい 。
名残惜しんでくれているかのようで。
そのことを少し前に話したら、送ってくれることが
多くなった。


けど・・・
さっきの電話にも、このメールにも、
私が欲しい言葉がなかった。
だから、こう返信した。

「Nちゃん、おやすみ。
さっきの電話でもメールにも「好き」も
「大好き」も「愛してる」もなかった。悲しい。」


そしたら、すぐにまた電話が鳴った。
「姫ちゃん、愛してるよ。大好きだよ。
じゃあね、おやすみ。ゆっくり休むんだよ。」

「Nちゃん、ありがとう。おやすみ。」




ワガママ姫、どんだけ・・・


ごめんなさい、Nちゃん。
反省しています。