FC2ブログ

姫日記

恋する気持ちを持ち続けていたい姫の日記です。

Nちゃんは時々、めんどくさい。

先日のヤキモチ事件はまぁ、仕方がないにしても、
何だろう、自信がないところから発するのか、
ものすごくネガティブになることがある。

「そのうち姫ちゃんに嫌われる、、、」
「オレのことほんとは嫌い?」
「もう嫌いになった?」
「オレのことほんとはあんまり好きじゃないのかな、、、」

そんな言葉がドッと続く。


昨日もそうだ。
ちょっとしたことで、私がNちゃんを「まるでダメ男」だと、
表現した。
本当に他愛ないやり取りだったのに、受け止め方が深刻で、
凹みっぷりがひどかった。


私がどう取り繕っても、
「どうせオレはまるでダメ男だから、、、」
「姫ちゃんにダメ男と思われてる」
と、何を言ってもネガティブにか受け取らない。

挙句には
「姫ちゃんの周りには業界人がいっぱいいて、
いい男がいっぱいいるから、オレなんて。
ダメ男だから、そのうち嫌われる、、、」と、なる。

「Nちゃーん、もうメンドクサイ!!
そんなこと言ってないでしょ。私はNちゃんが大好きだし、
嫌いになんてならない。」

「ショーコは?」

「うーん、、、5年後、10年後、20年後、30年後に
本当だったんだなって、分かるよ。」

「それって証拠?」

「証拠だよ。ダメなの?」

「未来は分かんない。」

「もーっ!!Nちゃん、めんどくさいから!!
もう二度と言わないから、まるでダメ男って。」

「言わなくても、思ってるんでしょ。いいよ、思ったなら、言っても。」

「もーっ!!ほんと、めんどくさいから。」



そんな不毛なやり取りをして、電話を切った。
あぁ、、、、


スポンサーサイト



何の意味もない行為なのは分かっている。
分かっているけれど、やってしまった。

「ずっと一緒だよ。ずっと一緒にいよう。」
Nちゃんは、いつもそう言う。
私もそれに応えて、「うん、ありがとう。」
と言うのだけれど、そのたびに、心の中に
引っかかるものを感じていた。

「ずっと」って?
「一緒にいる」って?

どういうこと?


随分前に、Nちゃんに言われたことがある。
「姫ちゃんといつか一緒になりたい。」


その時も、確かめたかった。
けれど、それは意味がないことだと思って、
ただ素直に、「私も同じ気持ちだよ。」と答えただけ。


日曜日のデートの別れ際、これからそれぞれの生活に戻るのかと
思うと、たまらなくさびしくて、それまでの気持ちが一気に下がった。

結局、それ以上は私には手に入らない。

言葉少なに別れて、帰宅し、しばらくしてメールした。
「バイバイしたあとが一番寂しい。」

「そうだね…」

「Nちゃんもそう思う?」

「うん…」
その返事には涙マークがあった。

「私のこと好き?」と返すと、

「大好きだよ。心配なの?」

「うん。ずっと一緒にはいられないからね。」
と返すと、

「ずっとずっと一緒だよ。」と送られてきた。


だから、思い切って詰め寄ってみた。
「Nちゃんのそばに居たいと思えば思うほど、
好きになれば好きになるほど、『ずっと一緒だよ』という
Nちゃんの言葉がつらくなる。
私だけのNちゃんじゃないし、この先もたぶんずっとそうだし。
だから、『ずっと一緒だよ』という言葉が虚しくて、切ない。
私だけのNちゃんにならないまま、私はこの先、一緒にいることに
耐えられるだろうか、と思うとますますつらくなる。
Nちゃんの『ずっと一緒だよ』を前に、立ちすくんでしまう。」
と。


すると、
「姫ちゃんに、もう「ずっと一緒だよ」って言わない方がいいのかな。
オレはずっと一緒に居たい。愛しているから。」
と返事が来た。

だから、私はさらに畳みかけるように、無意味なことをした。

「私が今、Nちゃんから与えられているものだけで満足できていたら、
何の問題もなくて、私もハッピー、Nちゃんもハッピーだよね。
でも、そうは思えない。『じゃあね』って帰る時はさびしくてさびしくて
たまらないし、すごくつらい。永遠にNちゃんは私だけのNちゃんには
ならないんじゃないかと思うと悲しくてたまらない。私は全部欲しい。」
と。

Nちゃんは
「オレは姫だけのものだよ。いつか全部姫ちゃんのものになりたい。」
と、返してきてくれた。


「見えないゴールに向かって走れない。頑張れない。
Nちゃんがライトな関係を望むなら、私はこれ以上、一緒には居られない。
私がNちゃんに求めるものは大き過ぎるから。
だから、そのことでNちゃんが私を負担に思ったり、面倒に思うんじゃないかという
気がしてならない。もし、そうなら、はっきり言って欲しい。それがお互いのためだから。」


「何度も言うけど、オレは姫ちゃんとずっと一緒に居たい。
その気持ちは変わらない。今は、現実的には一緒に居られないけど、
でも、いつか、一緒に、じかにそばに居られたらいいなって、いつも思ってる。
オレはライトな関係を望んでいるわけではないよ。
負担に思ったり、面倒に思ったりしないから安心して。姫の全部を受け止めるよ。」



Nちゃんなりの誠実な答えが返ってきた。
想定内の答えだ。
模範解答だとも思った。


こんな答えを聞いて、何の意味もないことは分かっている。
分かってはいるけれど、確かめたかった。

いくら確かめても、無意味なのは分かっているのに…

だって、確かめたって私の心から曇りがなくなるわけではないから。



昨夜のNちゃんのガッカリ名人具合はひどかった。
午後10時になる直前まで、普通にメールをやり取りしていて、
プツリと途切れたので、洗濯かアイロンがけでもしているのかと思って
放っておいた。

ちょうど私は、huluのナイトライダーNEXTに夢中になっていたし、
「ふん、ガッカリ名人め!」と思って何にもアクションしなかった。


11時半を過ぎて、
「姫ちゃん❤姫ちゃん❤」と送られてきたので、

「寝てるかと思ったのに、、、」と返したら、

「ちょっとウトウトしちゃいました。」と返ってきた。

だから、「知ってるよ。」と送った。

そして、またあっという間にプツリと途切れた。
え??一瞬目覚めて、また寝落ち??
(私にはこの感覚が全く理解できない。)

それから30分後に、
「Nちゃんなんてダイキライ」
と送信して、私は眠った。


そして今朝。
午前8時半過ぎ、
「姫ちゃん❤
昨日は、ごめんなさい。お風呂上がって横になってたら
ウトウトしちゃって、夜中目が覚めたけどダメでした。」
と、Nちゃん。

私は「ガッカリ名人だからね。」と、返した。

「ごめんなさい、、、」と、また返ってきたけど。


ま、それはいいとして、
今日はデートの約束をしていた。

午前11時前に電話がかかってきた。
「姫ちゃん、、、」

「おはようの前に、おやすみもしてないしね。」
と嫌味を言ってみた。

「ごめんって言ったでしょ。」

「ガッカリ名人だし。」

「嫌いになる?」

「ならないけど。だいぶ慣れた。」

「姫ちゃん、、、、」

「なぁに?」

「今日さ、2時頃になってもいい?」

「いや。ダメ。」

「うーん、、、じゃあ、1時45分」

「全然変わんない。ダメ。じゃあ、もういい。」

「御機嫌直して。」

「いや。」

「また電話するから。」

「考えとく。」



そして、12時50分ごろ「今から出るよ。」と電話がかかってきた。
Nちゃんの家から待ち合わせ場所まで20~30分ほど。
その時間に合わせて私も家を出た。


いつもの待ち合わせ場所に私が到着したのは1時18分。
駐車場はいっぱいで、キョロキョロしたけれど、Nちゃんの車はなく、
一台分空いていたスペースに私は車を入れた。

Nちゃんはなかなか来ない。
私はたまたま放送していたテレビ番組につい夢中になって
気が付くと1時30分を過ぎていた。

ふと、顔を上げると、
斜め前方にNちゃんの姿。車を降りて、立っている。
慌てて私はエンジンを止めて車を降りた。

「ごめん、気が付かなかった。いつの間に?」

「ずっといたよ。姫ちゃん、気付かないなぁと思って。
電話しているっぽかったから、待ってたんだけど。」

「うそばっかり。」

「ほんとだよ。オレ1時15分には着いてたもん。
姫ちゃんの車が入ってきたのも知ってるよ。」

「ほんとにー?マジで?」

「ほんとに。なかなか降りてこないから、
何かお怒りモードで、オレにこっちに来いっていう意思表示かと。」

「心当たりでも?」

「まさか?!」

「ふーん・・・よっぽど通じ合ってなかったんだね。」


斜め前方のNちゃんの車に気が付かなかったなんて、、、、
そんなバカな、、、
と、今でも腑に落ちない。

ネガティブなことだけが頭の中をぐるぐるめぐっている。

10年ほど時を過ごしてきたひろと離れてそろそろ一年が経つ。
私の中のその痕跡は日に日に薄れて、今では思い出せない感覚が
いくつもある。

出来事は事実として思い出せる。
けれども、その時の感情が、今ではもう思い出せない。
思い出せないというより、その時の自分に全くシンパシーを感じない。

あんなに好きだったのに。
あんなに長い時間を過ごしたのに。
あんなに悲しい思いをしたのに。
あんなにさびしく、つらい思いをしたのに。

今では全く何も感じない。

「良い思い出」にもならない、
ただの句読点みたいなものにしか思えない。

あれだけの時間が?
あれだけの思いが?
あれだけの出来事が?


そう感じてしまう自分自身が恐ろしい。


その時の私は、深い愛の中にいると信じて疑わなかった。
ただ純粋に思いのままに行動していることに、幸せすら感じていた。
・・・それが、恐ろしい。


私は、幻を見ていたのか。
私は、幻を一心に追いかけていたのか。
10年も。



それが怖い。



今あるものも、いずれ幻と消えてしまうのか。




「大好きだよ。ずっとずっと変わらないよ。ずっと一緒にいるよ。
オレは姫を誰にも渡さないから。姫ちゃんは?」

昨夜、Nちゃんにそう言われて、

「私もおんなじだよ。ずっと好きだよ。」
心の底からそう思うから、そう答えたけれど、
これもいつかはフッと泡のように消えてしまうのかなと思って、胸が痛んだ。




考えても意味がないのは分かってる。
何も解決しないし、何も生み出さないのは分かってる。
けれど、もう何日もぐるぐるネガティブなことが頭の中をめぐっている。


このぐるぐる、止めてよ、Nちゃん。
今週に入ってからずっと、私が下降気味だからか、
毎晩、Nちゃんから電話がかかってくる。

これまでは、夜の電話は、ひとしきりメールのやり取りをして、
最後に「オヤスミ」をするだけの、数分のほんの短い電話だった。

でも、一昨日も、昨日も、Nちゃんからのメールに
私がほとんど返事をしないからか、「オヤスミ」を言うだけじゃない
電話がかかってきた。


就寝時間が早目の彼にとって、相当眠い時間に違いない。
最初のうちは反応が悪くないのだけれど、そのうち、
反応が鈍くなり、話すスピードがガクンと落ちる。
それはそれは分かりやすい。

「Nちゃん、もう、目が開いてないんでしょ。」

「そんなことないよ。パッチリしてるよ。」

「Nちゃん?」

「・・・起きてるよ」

そんな彼に申し訳なくて、電話を切ろうとすると、
「もう切っちゃうの?寝てないよ。」
と、Nちゃんは言うので、それなら、、、と
話を続けると、また、たちまち反応が鈍化するのである。

そんなことを繰り返しながら、昨夜は1時間ほど
話をして、私から「一緒に寝よっか。」と言った。

「うん。」

「裸で、ね。脱いでよ。」

「うん。脱いだよ。」

「触っていい?」

「いいよ。もうカチカチだよ。」

「何が?」

「姫ちゃんのペットちゃん。」

「舐めていい?」

「いいよ。舐めて。」

「うん。じゃあ、Nちゃんは眠っていいから。
私は勝手にしてるから。寝てよ。」

「眠くないのに~。しょうがないなぁ~。」

そして、オヤスミを言って電話を切った。
昨日は、一日を静かに過ごした。
連休明けだったせいで、仕事は丸一日分が溜まった格好になっている。
けれども、黙々と仕事を片付け、何とか一日のロスを取り戻した。


夕方、帰宅して、少しの家事をする。
前日の残りを晩ご飯にしたので、楽ちんだ。
だから、早目にお風呂にも入って、翌日の支度も済ませて
huluで映画を観ていた。

Nちゃんから「お風呂あがったよ。」のメール。
「私も」とだけ返すと、

「少しは元気になったかな?」と送られてきたので、
「15%くらい。」と答えた。

「15%でも元気なら良かった。大好きだよ。」
と送られてきたが、それには何も返さなかった。

何と返せばよいのか分からなかったし、これ以上、
言葉を交わすのが憂鬱だったからだ。


Nちゃんからも、その後、メールは来なかった。
私に静かな時間を過ごさせようとしてくれているのだろうと思った。

、、、きっとそうなのだろうが、それさえ私は何とも憂鬱に感じた。


午後11時を回り、そろそろ眠る時間が近づいた。
彼は朝が早い分、眠るのも私よりずっと早い。

そして、突然、電話が鳴った。
Nちゃんだ。

「姫ちゃん、、、大丈夫?まだ寝てなかった?」

遠慮がちに尋ねる彼の口調はいつにも増して穏やかだ。
優しさに満ちている。

何してたの?と尋ねる彼に、huluで観たドラマの話をして、
他愛ない話をして、ゆっくりと時間が過ぎた。

「姫ちゃん、裸でギューして寝よう。」

「ニセモノだけどね。」

「姫ちゃん、、、ニセモノじゃないよ。」


これはきっと優しさに違いないと思うんだけど、
でも、何なんだろう、これ。


電話を切って、見えないNちゃんを見ながら話しかけた。
見えないNちゃんに抱きついて、「Nちゃん」と呼んだ。
昨夜から私の精神状態は急降下している。
前記事に書いた件のせいもあるだろうし、
三連休が終わるというのも大きな理由だろう。

ここ一年、とにかく仕事が嫌で嫌でしょうがない。
仕事をするためのモチベーションみたいなものが、
なんか、スッカラカンになっているような気がする。

その理由を一つ一つ挙げていくと、
私は壊れてしまいそうなので、つまびらかにするのはやめておく。


とにかく、昨夜、いきなり急降下した。
夕方まではそんなに感じなかったのに、、、
午後9時を回った頃からだろうか、何もかもが嫌になってしまった。

Nちゃんからのメールにも返事をする気になれなかった。

晩ご飯を少し無理して作ったせいもあるかもしれない。
作り終えて、「力尽きた。」と短いメールを送っていた。

午後10時を過ぎて、Nちゃんから数通目のメールに
ようやく返事をした。

すると
「少しは元気になったかな?」
と、送られてきたので、

私が何で急降下していることを知っているのだろうと、
「私、元気ないんだっけ?」と、返した。

「さっき、力尽きた、って言ってたから。」

「なーんだ。私が急降下していること分かっているのかと
思ったら、違ったんだね、、、」
と、返すと、

「姫ちゃんに元気がないことは、何となく分かるよ。
メールから分かる。」


私は、普段はほとんど絵文字を使わない。
対して、Nちゃんのメールは、緊張感の漂う状況以外は
絵文字が多用されている。だから、分かりやすい。

絵文字がない=私の御機嫌を伺っている、恐れをなしている、反省している
の、どれかだから。


私もたまに絵文字は使うけれど、色々、急降下してくると、
相当、短文になる。
「うん。」とか「はい。」とか「そんなことないけど、、、」とか。
一文しか返さなくなる。


「ふーん・・・」
そう返すと、

「何でもお見通しさー。」と、軽いメールが送られてきた。


ごめんね、
Nちゃんのせいではないんだけど。

このイライラ、焦燥感、孤独感やら何やら、
どうしようもなく、止めることができないんだよ。



Nちゃんは私を気遣って、そのあと、電話でおやすみを
言ってくれたけど、、、



部屋の明かりを消して、
何故だか、私はもう20年ほど前に亡くなった母を思い出して、
声を上げて泣いた。「お母さん、、、」と。
時々、夫を殺したくなる。
もちろん、実際にはそうしないが、
「殺したい」という気持ちがフツフツと沸いて、抑えきれなくなる。

普段は全くといってよいほど、関わりを持たない。
関わりを持たないから、衝突することもない。
関心を持っていないから、喧嘩をすることもない。


昨夜、夫が帰ってきた時間を知らない。
いずれにしても相当深い時間だということだけは推察できる。

今朝、リビングに行くと、酒臭さが充満していて、
思わず換気扇を全開にして、窓を開けた。



そして、今。


明日のゴミの日に合わせて、キッチンのシンクの掃除をした。
排水口のカゴを引き上げると、ぬめりととともに独特の臭いがした。
ん、、、、

そして、私は心の中でつぶやいた。
「殺していいですか?」


おそらく、シンクで吐いたのだろう。



過去にも数度あった。

その時は、息子が気を利かせ、私に進言してくれた。
「オヤジが昨日の夜、キッチンに吐いてたぜ。
だから、ママは触らないほうがいいよ。オヤジにやらせろ。」

私を思って、そう言ってくれる息子を頼もしく思った。
私が心底嫌だと思うことを、息子も嫌だと思っていることに安心さえした。





私は、息を止めて、水切りネットを引き上げてポリ袋に入れ、
口を縛って、紙袋に入れてごみ袋に捨てた。
そして、ハイターを撒き散らして、ゴシゴシと洗った。


素手で触ってしまったものだから、何度も何度もハンドソープで
手を洗った。



リビングには夫がいる。

私は刺すような視線でつぶやいた。
「殺していいですか?」
Nちゃんからは「日曜日は結婚式、月曜日は買い物に、、、」と、
事前に言われていた。
こうやって事前に予定を知らせてくれるようになっただけでも大進歩だ。
素直に「ありがとう」って言わなきゃな、、、

以前は、予定を知らせてくれないだけでなく、プツリとメールが途切れたと思ったら、
夜になって、「姫ちゃん、姫ちゃん❤」と、送られてくることが多々あった。
そのたびに、
「ほっとかないで」と、訴えた。

会えないのは仕方がない。用事があることだって仕方がない。
けど、仕方がないんだ、って私が納得できるようにして欲しい。
それがものすごいわがままだとは、私は思わない。

逆の立場の時は、私は彼が心配しなくてもいいように
ちゃんと、自分の状況を知らせる。
なのに、彼は、私にそうしてはくれない。
そうしてはくれないのに、私が「ほっとかないで」と訴えると、
「ほっといてないよ。ずっと想っていたよ。いつも思っているよ。」と、言う。

そんなの言葉で言うのなんて簡単だよ。
そう言うなら、行動で示してみなさいよ!


今朝、おはようのメールに返事をすると直後に電話がかかってきた。
ここのところ、Nちゃんから毎日、電話がある。
昨日は、夕方、結婚式終わりに、そしておやすみの電話と二回もあった。

今朝の電話の後には、メールも何にもなくて。
チッ、そうか、そうか、、、と、私はできるだけ何も考えないようにしていた。

夕方、5時を過ぎたころ、電話が鳴った。
「姫ちゃん、何してた?」
(あなたが何をしていたのか、言いなさいよ!と、思ったが、
何も言わずにいた。)

「えーと、掃除して洗濯して、買い物に行って、
ほっとかれてるなぁって思いながら、喫茶店でアイスコーヒー飲んだ。」

「姫ちゃーん、、、」

「何?どうしたの?ほっといたから電話してみようかな的な?」

「そんなことないよ。ほっといてないし。普通のことしてるだけだよ。」

そして他愛ない話をした。



これがNちゃんの精一杯の頑張り。
そうだよな、そりゃそうだよ。
私に何もかも全部分け与えることなんてできないんだから。
私とNちゃんをつなぐ橋は脆くてはかない。
二人して、そんなことないよ、そんなことないよね、と
確かめ合いながらも、心の奥底では脆くてはかないことを感じている。

感じているから、そう言葉に出して確かめ合いたくなるのだろう。

昨日の夜もふとしたことから、Nちゃんのガッカリ名人さかげんに
「しょうがない、Nちゃんだもんね、、、」と、呆れると

彼は途端に真剣な口調で
「いつか、オレは姫ちゃんに呆れられて、嫌われるのかな。」と言った。

「そんなことないよ」と言っても、
力なく、
「なら、いいけど、、、、、」と、言うばかり。

ずっとその調子だったので、「おやすみ」をして電話を切り、

「私はNちゃんが大事だし、ずっと大好きだよ。
私がグズグズ言っても、包んでいて。ずっと私を見てて。
私もNちゃんをずっと見ているから。少しは信じてよ、私のこと。」
と、メールをした。

もう寝ちゃったのか、返事はなく、
今朝、彼からのおはようメールに返事をしたら、すぐに電話が鳴った。

「おはよう、姫。信じてるよ。」

「え?そこ?戻らなくていいよ。」

「だって、、、姫ちゃんが信じてよって言うから。
ずっと見てるし。ずっとずっとだよ。愛してる。」

「ありがとう。同じだよ。」

「同じじゃないよ。オレのが勝ってる。」

「アハハ、、、また勝負?」

「だって、オレのほうが勝ってるから。」

「私がグズグズ言っても怒らない?」

「怒ったことある?」

「ないけどー。今はそうだけど、そのうち怒るかも。」

「あり得ない。じゃあ、姫は?オレに呆れて怒る?」

「うん、怒る。」

「ほらぁ、怒るんじゃん。」

「あったりまえ。グーでパンチする。」

「反撃するよ。」

「絶対ダメ。防御はしてもいいけど、反撃は許さない。」

「姫ちゃん、ずっとそばにいるよ。変わらないよ。愛してる。」


他愛ない話をしながら、彼は何度も何度もそう言った。
私も同じだよ、と答えながら。
もう一人の私は全然違うことを考えていた。

ずっと変わらないなんて、そんなことあるのだろうか。
物理的にそばにいる以外に、「そばにいる」ことにどれだけの価値があるのだろうか。
私とNちゃんをつなぐ橋は脆くてはかない。

私が諦めた途端にガラガラと崩れる。

「私も変わらないから。」

「そうだけどさ、、、女心は変わるから。」

「そんなの分かんないじゃない。」

「自信ないよ、オレ。」

「そんなこと言っちゃダメだよ。言わないで。」

「そうだけどさ、、、」

「もうさ、こういうことは議論する意味がないから。」

「うん、、、」
どこまでも自信なさげなNちゃん。
そりゃそうか。

私だって自信がないもん。
今日、Nちゃんは結婚式に出席していた。
詳細は聞いていないけれど、その話しぶりから同僚と思われる。
スピーチを頼まれているというから、同僚というより部下か、、、

昨夜は原稿を覚えなきゃ、と頑張っていたようだし、
やっぱり責任感の強い人だなぁと感じた。

今朝も途切れ途切れにメールが送られてきたので、
スピーチの準備に余念がなかったのだろう。
お昼過ぎには、こんなメールが届いた。
「今から行ってきます。原稿バッチリ覚えたからスピーチ頑張るぜ!」

そして、ついさっき、
「今、終わったよ~」のメールが来た。

そろそろ終わるかな、Nちゃんからメールが来るかなと思ったら
その瞬間にメール着信があって、びっくりした。
帰宅した後ではなく、終わった直後だったのが嬉しかった。

「お疲れ様でした。上手にできたかな?」と返すと、
すぐ、電話が鳴った。

「うーん、まぁまぁ7割ぐらい、、、、」

自分のスピーチの出来具合をそう評価した。
「ちょっと内容が堅すぎた。もっとつかまないといけなかった、、、、」
反省点をつらつら挙げるNちゃん。

まじめかっ!

「そんな、みんな高いところを求めてないよ。
7割なら上出来じゃない。」
私がそう言っても、

「いや、自分的に全然ダメ。わたくし、反省してる。」

「そんなに??」

カチカチとウィンカーの音が聞こえた。
「車で行ったの?」

「当然。」

「お酒飲まなかったの?」

「だって、スピーチするんだよ。粗相があっちゃいけないでしょ。」

「偉いね~。」

「当り前だよ。」

そうこう話していると、唐突に
「姫、、、愛してるよ。」と、Nちゃんが言った。

だから、
「今ね、Nちゃんからそろそろメールが来るかなって思ったら、メールが来たんだよ。」
と、言うと、

「お見通しだから、さ。」
と彼は答えた。

「さ、お家についた。」
「うん。」お疲れさまでした。ゆっくりしてね。」
「またあとでね。」


図書館の夜、Nちゃんが言った。
「姫ちゃん、明日、予定ある?」
「ううん、何もない。」
「日曜日は結婚式で、月曜日はたぶん買い物に行かなきゃだから、
じゃあ、明日、ケーキ食べようか。」

正午にいつもの場所で待ち合わせをした。
ブルーベリー狩りに行きたがっていたので、
いつそうなってもいいように、長袖のシャツを持って、
待ち合わせ場所に向かう途中のドラッグストアで、
日焼け止めと虫よけスプレーも買った。

「ブルーベリー電話したよ。雨だったらやらないって、、、」と、Nちゃん。
「微妙だね。」

「さ、ご飯食べに行こっか。何が食べたい?」
「考えてないの?」
「だって、姫の誕生日だからさ。好きなものを。」

そっか、、、誕生日はまだ続いているのか。
色々とNちゃんなりに考えてくれているんだな、、、
何も考えていないと思っていた。


「うーん、じゃあ私の言う通りに行って。」
「ラジャ!」

そして、私の自宅近くのビストロに行った。
カジュアルなお店だけど、雰囲気はいいので、ここならと思って。

食事をしながら色々なことを話した。
どれも他愛のない話だったけれど、どれも楽しい。
いつまでも話をしていたかった。

「あ、雨降ってきたよ。」
窓の外は小雨が降っている。

「ダメかなぁ、、、」

「行くだけ行ってみる?」

そして、少し車を走らせてブルーベリー農園に行った。
同じ市内かと思えるほど、田舎な風景が広がる。
到着した途端にザッと雨に降られて、しばし車で待機した。

しばらくすると、雨は上がり、念願のブルーベリー狩り。
期待していたよりも甘くなく、二人して
「あ、当たりだ。」とか「う、酸っぱい。」、「渋い!!」
と言いながら、園内を回った。

雨上がりはムシムシと暑くて、じっとりと汗ばんできた。
「うー暑いよー」
「もう飽きたな」
二人して勝手なことを言って、車に乗った。

私が車を駐車しているのは、大型のショッピングモール。
そこに着いたのはまだ午後4時を回ったところだった。

・・・そう、こないだは、早い時間にバイバイして、私はさみしくて、
グズグズ言ったんだったな、、、
そんなことを考えていると、彼は車を止めて、エンジンを切った。
私が窺うような表情をしたら、
「ユニクロに行きたい。」と、Nちゃんが言った。

あ、これはこないだの学習成果だな、と思って、
嬉しくて、嬉しくて「うん。」と私は答えた。
だから、車を降りて、Nちゃんが手を差し出すよりも早く、
私は彼の手を取って、ギュッと握った。
「Nちゃんの手、いっつもすごく温かくて気持ちいい。赤ちゃんみたい。」
そう言ってギュッと握ったら、彼も握り返してくれた。

混みあうショッピングモール。
Nちゃんを離さないように、私はずっと彼の手を離さなかった。
図書館の駐車場。
雨粒がフロントガラスに打ち付けられ、滴り落ちる。

暗闇の車中はその雨粒でさらにカモフラージュされた。

Nちゃんが私の胸元に手を滑り込ませたので、
「シャワー浴びてきたから。」と、
Aラインのカットソーをまくり上げた。

運転席から身を乗り出すように私の胸に顔を埋めるNちゃん。
彼の口の中の温かさを感じて、思わず声が漏れた。
舌の感触を確かめようと目を閉じる。

スカートの中に手が入ると、私は腰を浮かせた。
そして彼の指はさらにその奥へと進んだ。

私は既に十分に潤っていて、Nちゃんの指は何の抵抗もなく沈んだ。
「姫ちゃん、びしょびしょだよ。気持ちいい?
どこが気持ちいい?」

そう言いながら、指を動かすNちゃん。
「ここ、気持ちいいね、、、」

私の口をふさぐようにNちゃんの舌が押し込まれた。


フロントガラスには雨粒が滴っている。
私は彼の頭を抱えながら、腰を浮かせ首をそらした。
「Nちゃん、、、気持ちいい。気持ちいいよ、、、」

痺れるような気持ち良さに、目の前が真っ白になる。
Nちゃんの肩をつかむ私の指先に、さらに力が入った。
硬い筋肉を確かめて、Nちゃんを感じる。

ダメだ、、、このままだと、もう、、、
フッと力を抜いた瞬間、私は絶頂に達した。

「姫ちゃん、びしょぬれだよ。」
Nちゃんは私の目の前に指をかざして、ティッシュで拭い、
その指を鼻に近づけた。
「もう、やめて、、、、だめ。」

「姫ちゃんの匂いがする。」

「もう、、、やめて。」

「姫ちゃん、パンツ着替えたほうがいいよ。」

「もうー。分かってる。お風呂入るし。
焼き肉のにおい満載だから。」


そして、汗なのか何なのか分からない湿り気を残して
私はNちゃんの車を降りて、自分の車に乗った。
白い封筒に白い便せんが一枚。
「愛する姫へ」で始まる手紙は、丁寧に綴られていた。

これがNちゃんの字か、、、
どんな字を書くのか、とても興味があった。
綴られていた字は、うーん、そうだな、美しい文字とは言えないけれど、
悪筆でもなく、Nちゃんらしい誠実な男性の文字だった。

「ずっとそばにいるよ。だから、姫もずっとオレのそばにいてください。」
と書かれた次の行には、
「姫がいてくれるから、毎日楽しいよ。」とあった。


Nちゃんの書いた文字を一文字一文字、じっと見ていると、
まるで、今ここに彼がいるような、そんな気配を感じて胸が震えた。


最後は日付と彼のフルネームで締めくくられていた。
目を閉じると、この手紙を書いているNちゃんの姿が目に浮かぶ。
約束通り、Nちゃんは私に逢いに来てくれた。
私に直接「誕生日おめでとう」と言うために。

夕方、「22時ごろには行けると思う。遅くなってゴメン。」
と、連絡があった。

職場の送別会のあと、プレゼントを届けに来てくれるという。
「どうやって来るの?」

「車だよ」。

「だって、宴会でしょ?」

「車で行きたいから、飲まない。」

「そうなの?いいの?」

「姫ちゃんに逢いに行きたいからね。」

そして、彼はちゃんと来てくれた。


私の家のそばの図書館の駐車場。
Nちゃんの青い車が停まっている。
助手席に乗ると、彼は言った。
「ちょっとクサいけど。」

「ん??確かに、、、すごいにおい。」

「焼き肉だったからね。煙と油にまみれてる。」
車の中は焼肉屋さんのようだった。

「姫、お誕生日おめでとう。」
小さな紙袋を差し出しながらNちゃんが言った。

「開けていい?」

「もちろん。どうぞ。」

紙袋の中には小箱と封筒が一通。
そう、私は、Nちゃんに「お手紙書いて。Nちゃんの字を見てみたい。」
と、お願いしていた。

小箱を開けると、ダイヤモンドの華奢なリング。
ころんとしていて、とても可愛らしい。

「ありがとう。すごく可愛い。ありがとう。」

ずっと前から「何が欲しい?」と聞かれていた。
「何でもいいよ。」と答えていたのだけれど、
「ダメ、ちゃんと言ってくれなきゃ。」と、言われて、
「じゃあ、身に着けるものを」と、答えておいた。
「いつも着けていられるシンプルなものを」と、リクエストもした。

少し前に「指は何号?」と聞かれていたので、リングだなとは
思っていたんだけど、、、


すごく可愛い、、、というか、コレ、もはやエンゲージリングだ。
いや、そういう意味じゃなくて、デザインがエンゲージリングだよ。
なんか、バレバレだなぁ、、、いいのかなぁ、、、、

「姫ちゃんがシンプルなのっていうからさ、でも、なかなかなくてさ。
最初はルビー(誕生石)にしようと思ったんだけど、シンプルなのって
やっぱりダイヤモンドかなって。で、ずっとつけていられるのってプラチナかなって。」

「ちゃんと考えてくれたんだ、、、」

「もちろんだよ。手紙も書いたよ。一生懸命、、、誤字脱字しないように。」

「アハハ、、、そっち?」

「大事でしょ?誤字脱字しないこと。ペンで書くんだから直せない。」

「消せるペンじゃなくて?」

「違うよ~。ちゃんと筆ペンで書いたもん。」

「ほんとにありがとう。すっごく嬉しいよ。良かった、、、
ガッカリ名人じゃなくて。」

「当り前だよ。誕生日はガッカリ名人じゃないの!」

「アハハ、、、誕生日限定?」

「せめて、誕生日は。」

「ありがとう。」


そして、Nちゃんに抱きついた。
「クサいよ。」

「ほんと、、、すごい。」

「無煙ロースターとかの店じゃないもん。煙と油がモウモウだもん。」

そういうNちゃんのどこもかしこもから焼肉のにおいがした。
においどころか、ベタベタしてるし。
耳の穴からは煙のにおいがしてさすがに笑えた。

「すごいよ、Nちゃん、、、」

「だって、自分でもクサいもん。」

「こんな状態なのにわざわざ来てくれてありがとう。」

「今日じゃないと意味がないでしょ。」



こんなににおいと油を身にまとって、、、
それでも私に逢いに来てくれたことが嬉しかった。
シャワーを浴びたかっただろうに、、、疲れただろうに、、、
焼肉とビールを楽しみたかっただろうに、、、


だから、嬉しくて、嬉しくて、
Nちゃんのにおいと油を共有するようにきつく抱き合った。
明日、私は、一つ年を重ねる。
少し前に先にお兄さんになったNちゃんに追いつく。

先週、Nちゃんが言った。
「金曜日、オレ宴会なんだよ。」

(ひょっとしたら会えるかもしれないなと思っていたので、
「宴会」と聞いて、ガッカリした。そっか、、、、、と。)

言葉に詰まる私に彼はこう続けた。
「宴会が終わったら、姫に届けに行く、プレゼント。
気に入ってくれるかどうか分かんないけど。」

「そうなんだ、、、ありがと。」
あまりに驚いて、気の利いた言葉が返せなかった。
そんな方法があったのかと、そこまでしてくれるのか、と意外だったから。


宴会では当然アルコールが入るだろうし、
どうやって私に届けに来るつもりだろう。
お酒は飲まないとか?
それとも、私を出向かせるとか?
うーん、、、謎だ。

それに、宴会が終わるのって、大体何時なのさ。

彼の職場の宴会は、定期的に開かれるのだが、
彼の行動パターンを見ていると、
終業時間からソッコー宴会が始まって、早い時だと
8時過ぎに「終わって帰るよ。」と、連絡が入ることもある。

形式的な宴会か、そうでないかによるのだろうけれど。


先週、彼にそう言われてから、何の話も出ていない。
大丈夫なのだろうか、、、
ちと心配になる。
が、心配したところで何も手出しはできないので、
まぁ、考えないことにしよう。
以前記事にも書いたことがあるが、
私を可愛がってくれるかつてのボスがいる。

このボスが少々面倒で。
はっきりと口説かれたわけではないから、
何とも言えないけれど、折に触れ、そういう態度や言葉を示す。
そのたびに、やんわりやんわりとかわしているのだが、
なかなかどうにもならなくて。

かといって、グイグイくるわけでもなく、、、
だから、正直、ちょっと面倒だ。

ボスは社会的にも地位のある人で、人望も厚い。
仕事もできるし、頼りにもなる。

けれども、恋愛対象にはならない。

ボスはすでに定年退職をし、今は、仕事単位で請け負う
フリーな立場にある。

そのボスにとあるところから仕事の依頼があり、
私は昨日、メールで連絡をした。
徹底したビジネスライクな連絡だ。

「お受けします。私で良ければ。」の短い返事をもらい、
その後、担当者と直接やり取りするようお願いをした。

そして、今日のこと。
「今日、担当から連絡がありました。ありがとう。」
と、ボスからメールがあり、

私は
「良かったです。こちらにいらしたらお声掛けください。
またお会いできること楽しみにしています。」
と、返した。

すると、
「今度は心の通う話をしましょう。」
と、送られてきたので、

私は
「え?私はいつも心を通わせているつもりでしたが、一方通行でしたか?」
と、返した。

(これがいけなかった、、、)

すると、ボスから
「もっと心の通う話をしましょう。心の中に入っていい?」
と、送られてきた。

ムムム、、、、これはいかん、マズイ。


そして、私はNちゃんに尋ねたのだ。

(これもいけなかった、、、)

「もうすでに心を通わせている人がいます、って言えばいいんじゃない?」
と、彼。

「うーん、、、大した意味はないのかな。困ったな。」
と、私が返すと、

「男は自分に都合がいいように解釈するし、勘違いする生き物
だから。姫ちゃんにその気がなければ、曖昧なことはせず、はっきり
言ったほうがいいと思うよ。」
と、長文メールが届いた。

それでも、
「うーん、どうしようかな、、、返事しなきゃいいかな、、、」と
返すと、

「それ以上は、オレには何も言えないよ。」
と彼。



それで、一旦やり取りは終わった。

けれども、明らかに、いつものNちゃんとは違う。
不愉快に思っているんだな、とありありと分かった。


その後のメールも、どこか奥歯に物が挟まったようで、
どうもしっくりこない。



そして、さっきのこと。
あまりにいつもと違うトーンの彼に対して、
「私のことすき?」と、メールをしてみた。

そしたら、
「○○のボスより姫ちゃんのこと好きだよ。」
という返事。

あぁ、、、、、

「ねぇ、それってイヤミ?」

「ぜんぜん。」

「トゲがあるね。」
だから、私は、その後、ボスに返したメールを貼り付けた。

『信頼できる人生の師として、先輩として、
これからも良きアドバイザーでいてくださると幸いです。』


すると、
「そうなんだね。」
と、一言だけのメールが届いたので、
さすがに、ダメだ、これと思って、

「じゃあ、もう何も言わないね。何も言わなきゃ良かったね。」
と、送った。


「どうしてそうなるの?」

だから、私は、曖昧な態度も言葉も取るつもりはないこと、
ベストを尽くしていること、ボスに対しては丁寧な対応をしていること、
隙を作らないために、気を付けていること、
それでも、最善な方法があるかもしれないと、Nちゃんにヘルプを
求めたこと、結果、それが要らぬ心配を招いてしまったことを
彼に伝えた。


しばらくして、
「姫がせっかくオレに助けを求めたのに、短絡的に
ヤキモチを妬いてしまって、ごめんなさい。オレが大人げなかった。
許してください。姫は悪くない、オレが悪いんだ。」

と、神妙なメールが送られてきた、、、、、、、



あぁ、私、やらかしちゃったな。
言葉には力がある。
言葉にしなきゃ通じないこともあるし、
言葉に救われることだってある。

けれども、その反面、言葉の持つ力に騙されて
中身が伴っていないなんてことも、、、、
あったりするのかも。

言葉だけで、満足しちゃうとか。
とりあえず、言っとけー、みたいな。

それでも、言葉にせずにはいられなかったり、
つい言葉を求めたりする。

Nちゃんは元々、私に対して、
ストレートな言葉で愛情表現をする。
毎日毎日、何度も。

それは付き合った当初から変わらない。

「姫ちゃん、大好きだよ。分かってる?」

「分かってるよ。そんなに何度も言わなくても、、、」

「だって、言葉にしなきゃ分かんないことだってあるでしょ。
だからオレは何度でも言うよ。」


そうやって毎日、毎日言ってくれているのに、
私が心もとないと思うのはどうしてだろうか。

つい先日、彼からのおはようのメールに
「おはよう」と返し、そして、
「Nちゃんは私のものなんだからね!」
と、何の脈絡もなく付け加えた。

そんなこと宣言しても、何の意味もないことは分かっている。
分かっていますとも。
でも、どうしても言いたかったのだ。
「あなたは私だけのもの」と。

きっと、現実はそうじゃないから、
そう思い込みたかったのだと思う。
(自分のことなのに推定、、、)

すると、Nちゃんから直後に返信があった。
「姫だけのNだよ。姫もオレだけの姫だよ。」と。


言葉にすると照れくさくはあるけれど、
そんなことをちゃんと言葉にして言ってくれることが嬉しい。

私の気持ちもNちゃんの気持ちも同じだけ詰まった言葉。
言霊があるから、気持ちが揺さぶられるんだ。
夕方、Nちゃんから「仕事終わったよ」のメールが届いた。
見ると、珍しく長文。

「オレは仕事終わって今から宴会パート1。
今週は木金とまた宴会なんだ。転勤シーズンだから。
姫ちゃんは仕事頑張ってね。
帰ってきたらまたメールするね。愛してるよー。」

フムフム、、、

私は今夜は仕事で遅くなると伝えていた。
「私は今からもう一仕事だよ。気をつけてね。」
と、返すと、

再び、
「姫ちゃん、大好きだからね。」
と送られてきた。

何やら念には念を入れているようで、
「ありがと。ひょっとして、それって、地雷を踏まないように用心している系?」
と、返すと、

「そ、そんなことオオナイクイ。」
と、返事があった。

(少し前に、そんなことオオアリクイだね、と私が言ったことに
反論するために、オオナイクイが使われたことを受けている。)



いずれにしても、Nちゃんが私に思いを馳せていてくれたことには違いない。
良かった、良かった。



が、、、まだNちゃんは帰宅していないようで、何の連絡もない。
うーん、、、、
次を考えている。この次を。
私の人生の次のステップを。

そのことを先日、Nちゃんには話をした。

今、私は、学校に通おうかと考えている。
まだ、迷ってはいるが、気持ちは固まりつつある。

迷いの理由はいくつかあるが、
その一つが、授業が現状だと日曜日しか選択できないということ。

長いスパンで考えた人生の選択に、自分でも呆れるが、
真っ先に思ったのは、
(Nちゃんと逢う機会が減ってしまう、、、)
だった。

平日の授業はどうしても仕事に支障が出る。
出来るだけ今の生活スタイルを変えずに済ませようと思うと、
やはり日曜日のほかはない。


昨夜、Nちゃんにそのことを話した。
「学校ね、、、そろそろ決めなきゃなんだけど、
授業が日曜日なんだ。しかも朝から夕方まで。」

しばしの沈黙のあと、
「、、、そうなのかぁ、、、、、」
と、Nちゃんは口を開いた。
この沈黙と間に、私は、同じ思いを感じ取った(たぶん、、、)。

「今の生活スタイルを考えれば、日曜日のほかないのかな、って
思うんだけどさ、、、でも、、、Nちゃんに逢えない、、、」

「時間は?」

「朝から夕方まで。」

「一日だね。」

「うん。」

「学校はどのくらい通うんだっけ?2年だっけ?」

「えーと、最短で1年3か月。」

「結構だね、、、」

「うん、、、そうなの。もし、そうなったら、Nちゃん、考えてくれる?
逢えるように考えてくれる。」

「そりゃ考えるよ、もちろん。でも、土曜日があるじゃんね。」

「うん。でも、」土曜日がダメな時だってあるじゃない」

「確かに、、、」

「考えてくれる?」

「平日とか?」

「うん、それも含めて。」

「考えるよ。」

「ほんと?」

「うん。考えるから。ずっとじゃないし。」



このことをNちゃんに話したら、
きっと私が思うような反応をしないんじゃないかと思っていた。
それが、実は怖かった。

別にいいんじゃない、その時その時で決めれば、、、とか、
あるいは、
そんなことくらいで迷ってたの?とか。


けれども、Nちゃんは私に寄り添ってくれた(たぶん、、、)。
それに、私もちゃんと彼に話すことができた。
それだけでも、とても満足している。
昨夜の電話は本当に嬉しかった。
Nちゃんの思いやりをダイレクトに感じることができたから。

それで、しばらくしてメールを送った。
「さっきの電話ね、すっごく嬉しかった。ありがとう。」

「良かった(^_^;)」
と、Nちゃんから返信。


ん??
「(^_^;)」?
この汗は何?


だから、
「↑何で、汗?」
と、送ると、

「え?気のせいだよ!」
と、焦り気味の返事。

さらに、「いやいや、確かに(^_^;)があるから。
何か、心当たりでもあるのかと思って。」

「ま、まさか(>_<)」

「素直になろうね、Nちゃん。」

「姫を愛してる。これ、素直な気持ちだよ。」
と、最後ははぐらかされた。



きっと、あの「(^_^;)」は、Nちゃんなりの誠意の表れなんだろうし、
謙虚さでもあると思ったから。それもまた嬉しい。

他愛ないやり取りも楽しい。
今日は朝から気分が優れず、子どもたちにお弁当を作ってやれなかった。
朝一に会議の予定があったので、出勤時間を遅らせることも、
怠けることも出来ず、眠い目をこすり、嫌々家を出た私。

バイオリズムの停滞期なのだと感じた。
週初めは仕事が盛りだくさんで、今日は特に処理しなきゃ
いけないことがいっぱいあった。

お昼休み、いつものようにNちゃんからメールがあり、
私はそれに「バイオリズムの停滞期だから、扱いは丁重にお願いします。」
と、偉そうなメールを送った。

「はい。」と返事が来たので、
「地雷がさらに増設されているし、自分でもどこにあるのか分かんないし、
ブレーキは利かなくて、コントロールもできないから。気をつけてね。」
と、返すと、
「全力で頑張ります。」と送られてきた。


そして、さっきのこと。
今夜は私も忙しく、Nちゃんからのメールになかなか返事ができなかった。
ようやくひと息ついて、返事をしたのに、1時間以上も無反応だ。

それで2時間ほど経ったところで、ガッカリしながら「ほっとかないで」
と、メールをした。

ほんの少しして、電話が鳴った。
「姫ちゃん、ごめん、、、娘がさぁ、、、」

私に対して声を荒らげたり、イライラすることのない彼が
いつになく気が立っている。
娘さんが出掛けていて帰ってこないというのだ。
「迎えに来い、って言うから行ったのに、カラオケに行ってるからまだ帰らないとか
言っててさ、頭にきたから、今、ブチギレたとこ。明日学校なんだよ。
休みの前ならまだしも。ほんと、何考えてんだか。帰ってきたら説教だ。ゲンコツ。」

あんなに穏やかなNちゃんがこんなに怒っているなんて。

「特別な何かがある日なのかもしれないよ。高校生の時ってさ、
もう大人だって思ってたもんね。親の言うこと一番聞かない時期だよね。
嘘つくのだってお茶の子さいさいだし。でも、リスクがあるってことを教えなきゃいけないね。
自分で取れる責任と取れない責任があるってことも。」

「そうだね、、、まぁ、オレもそうだったけどさ。ほんと、何にも考えてないんだよ。
男だったりするのかな。」

「そうかもしれないね。」


そして、NちゃんはいつものNちゃんに戻って、他愛ない話をした。

「お風呂入った?」
私はそう尋ねた。

「ううん、まだ。」

「じゃあ、入っておいで。遅くなるから。」

「うん。」


Nちゃんは、私だけのNちゃんじゃないわけで、
でも、きっと「全力で頑張ります」の言葉通り、私に時間も思いも
割いてくれたんだろうと思う。
そのことが嬉しかった。
もっと一緒にいたかったのに、私に勇気がなかったせいで
早々にデートから帰ってきた昨日のこと。

そのことを伝えて、やや反省モードのNちゃん。
けれども、そんなモードはいつまでも続かない。それがNちゃん。

「お風呂あがったよー\(^o^)/」
のメールが届いて、私も努めて冷静に振舞った。

「蒸し暑いねー。オレは扇風機とにらめっこ。」
と送られてきたので、
「扇風機、いいね。私も欲しい。
今、はやりのDC扇風機だっけ。あれが欲しいんだ。」と、返した。

「DC扇風機??」と返ってきたので、
私はDC扇風機について説明し、バルミューダというメーカーのものが
すごくオシャレなんだと伝えた。

「シャレオツですな。もっと早く言ってくれれば、
お誕生日のプレゼントにしたのに。」

「ありがと。あとね、amadanaっていうメーカーの家電もオシャレなんだ。」
と、送ると、数十分経ってから、

「好きだよ。」と返ってきたので、意味が分からず「なにが?」と送った。
すると、
「姫を愛してる。」と送られてきたので、どうしちゃったのかと思い、
「どうしたの?」と、返すと、

「姫のことが好きだって、言いたかっただけ。悪い?」と送られてきた。
その言葉の選び方に、少し腹が立って、

「挑発的な言い方・・・
唐突だったから、どうしたのかなと思って、素直な気持ちで
尋ねただけなのに、そんな言い方しなくてもいいのに。」と、送った。


すると、すぐに
「言い方が悪かったね。ごめん。姫ちゃんが好きなんだって、言いたかったの。」
と、送られてきた。


素直なNちゃん、素直でないNちゃん。
私はどちらも好きだけれど、彼は自分が素直でないとは認めない。
部屋はムッと暑くて、エアコンのスイッチを入れた。
ソファに腰を下ろすNちゃんに私は跨るように乗った。

Aラインのワンピースをたくし上げ、そのまま私の胸に
吸い付いたNちゃんの頭を抱いた。

スカートをめくり上げて、私は彼の頭を何度も撫でて首筋にキスをする。
そして、昨夜のことをポツリポツリと話した。
「私のこと好き?」
「大好きだよ。」
「じゃあさ、もっと大事にしてよ。」
「うん。」
「大事なものはさ、簡単には手に入らないんだよ。
大事なものは、本当に大事にしないといけないんだよ。」

「うん、そうだね。」
「ガッカリさせたり、悲しい思いをさせたらダメなんだよ。」
「うん、、、オレは、姫をガッカリさせてばかりで、オレなんか
居ないほうがいいのかな、、、」

私は、Nちゃんの首から顔を離して、彼をまじまじと見た。
「だから?」

「オレがいなきゃ、姫はガッカリせずに済むかなと思って。」
「それで?」
「それだけ。そう思っただけ。」
「Nちゃーん、、、すぐ、そうなる、、、、いいの、それで?」
「良くない。」
「じゃあ、そんなこと言ったらダメだよね。」
「はい。」


少し難しい顔をしたNちゃんを見て、愛おしいと思った。
そう思うと、胸が詰まって、彼を抱きしめずにはいられなかった。

お風呂に入り、ベッドに横たわると、Nちゃんは私の全身を愛撫したので、
そのあとは、私がNちゃんを愛撫した。
このあいだ、彼の脚の間に顔を埋めた時、下へ下へと舌を這わせるほど、
彼はため息を漏らしたっけ、、、

そっと、ゆっくり舌を這わせて、下へと進んだ。
Nちゃんは腰を浮かせるように脚を立てた。
だから私はさらに下へと舌を這わせて、チロチロと舐めた。

「あぁ、、、、気持ちいい、、、」息が漏れるような声を出すNちゃん。
手を使って確かめると、Nちゃんのそれはカチカチになっていた。


顔を上げて寄り添うと、今度はNちゃんが私に覆いかぶさって、
そして突き上げた。

「何だっけ?えーっと、、、ポリネシアン、、、
あれ、動いちゃダメなんだよね。」

「そうだね。」

「姫も動いちゃだめだよ。」

「うん。」

微妙に角度を調整していると、彼が言った。
「でも、動いたほうが気持ちいいよね、、、」
そして、Nちゃんは私に激しく腰を打ち付けた。


しばらく交わると、突然、動きを止めて、私に体重を預けたNちゃん。
「何?どうしたの?」
「ん?」
「おじちゃん、疲れたの?」
「うん、、、」
Nちゃんは激しく消耗している。

「いつも走っているのとどっちがしんどい?」
「うーん、、、こっち。」
「へぇ、そうなんだ、、、じゃ、ビリーとどっちがしんどい?」
「うーん、、、こっち。」
「そうなのかぁ、、、」

Nちゃんはお昼休みにジョギングをするのが日課で、
先日はトレーニングでビリーザブートキャンプをしたらしい。
「懐かしかったけど、ヘロヘロだよ。」と、教えてくれていた。

「でも、ビリー楽しかったよ。」
「そうなんだ、、、じゃあ、どっちが楽しい?」
「うーん、、、こっち。」
優しい笑みを浮かべて彼が答えた。
今日はNちゃんとデートの日。
ちゃんと前もって約束してくれていた。

正午過ぎ、待ち合わせ場所で落ち合った。
「どこに行きたい?」

「え?考えてないよ。考えてないの?」

「もちろん、考えてるよ。」

「なに?」

「ブルーベリー狩り。」

前に、行こう行こうと話していた。
が、そこがオープンするのは来週だったはず。
それに、、、こんな天気がいいのに、私は、大した日焼け対策もしていない。

「ちゃんと前もって言ってくれないと、、、それなりの準備だってあるんだから。」

「そうだね。」

「で?他には考えてるんだよね。」

「もちろん!」
大ウソつきの表情で彼は答えた。

そして向かった先はラブホ。
私は、異論なんかない。



密やかな時間を過ごし、Nちゃんはひと眠りして、
「さ、行こう」と、ラブホを後にしたのが午後4時前。

私は、ゆっくりクールダウンにお茶でもしたかった。
ドライブだって良かった。


けれど、Nちゃんはセブンでアイスコーヒーを買ってくれて、
駐車場で飲み干し、ほんの少しお話をして、私の駐車場まで送ってくれた。

帰り際、すこしのハグと、キスをして、
かれは「気をつけて帰るんだよ。」と、言い、サヨナラした。

時刻は4時半にもなっていない。
私は言いたかった。
「もう少し一緒にいたい。一緒にいて。」と。
けど、言えなかった。

「早く帰らなきゃいけないんだ」と、言われるのが怖かったから。


切ない思いで彼の車を降り、自分の車に乗り換えると、
Nちゃんが手を振って、車を発進させるのが見えた。

私は車を走らせながら
「ねぇ、やっぱりもう少し一緒に居て」と、電話をしたかった。
でも、、、できなかった。
勇気がなかった。


午後5時を過ぎて、Nちゃんからメールが届いた。
「今日も逢えて嬉しかった\(^o^)/」と。


私は止せばいいのに、
「ありがとう。
・・・でも、私はもう少し、あと少し一緒にいて欲しかった。」
と、返した。

どうしても言わずにいられなかった。
この気持ちをやっぱり共有したかった。

すると、
「そうなの?・・・ごめんね。」と、拍子抜けするような返信。

「Nちゃんが早く帰りたいのかと思って、言えなかった。
勇気がなかった。寂しかった。」と、さらに畳み掛けた。

「そうだと知らずに・・・ごめんね、姫ちゃん。」

「帰り道、電話をしようと思ったんだけど、勇気がなかった。
・・・ね、Nちゃん、私の気持ち、全然気が付かないでしょ。」

「・・・ダメダメだね、オレ。」

「うん、ダメダメだよ。」

「姫・・・姫の思いに100%応えてあげることができなくて、ごめん。
オレはダメなオトコだね・・・」

「ううん、、、、、」



あぁあ、、、またやっちゃった。
また自爆しちゃったよ。
予定を知らせてくれず、いつもいきなり「今から逢えますか?」
が定石だったNちゃん。

さすがに、私の予定も立てられず、週末をガッカリと過ごすことに
耐えられず、繰り返しお願いをして、ようやくここ数週間、
事前に約束をしてくれるようになった彼。

Nちゃんは毎日、連絡を欠かさない。
おはように始まって、お昼休み、夕方の帰るコール、
夜の他愛ないやり取りからおやすみまで、
多い時は40通ぐらいのメールが行き交う。

そんなメールのやり取りの中、時々、プツリと何の前触れもなく
途切れることがある。
ウルトラスリーパーだけに、いわゆる寝落ちすることもあれば、
どこかに出掛けてしまって、、、ということもあるようだ。
その理由は大概分からないが、きっと子供を連れてお出掛けしているのだろう。

でもさ、、、おはよう、おやすみ、お昼休み、、帰るコール、
今からご飯、今からお風呂、、、とメールを寄越すのに、
突然、何の前触れもなくメールを終えるのはあまりに不遜じゃないか。


私は、突然、メールが途切れることで、何かがあったんじゃないかと
心配になることだってあるのに、、、、

それで数時間して、「ほっとかないで」と送ると、
しばらくして「ごめんごめん、○○に出掛けてた。」と返ってくる。

じゃあさ、何で一言、知らせてくれないの?



まぁ、そんなことをたびたびたびたび繰り返している。
繰り返しては、私なりに私の思いを伝えてきた。


昨日もそうだった。
お昼前まで何通もやり取りをして
「○○の部活の迎えに行ってくるね。」と、息子さんのお迎えに行くというメールが入った。
それが正午過ぎのこと。


そしてプツリとメールは途切れて、
午後7時を過ぎて「ほっとかないで」と、私から送ると、
しばらくしてから、
「姫ちゃん❤ただいま~。メール遅くなってごめんね。」と返ってきた。



何で?
どうして?


それで、私は、Nちゃんに訴えた。
「ほうっておかないで」と。

「ごめんなさい」と返ってきたので、

「百万回『ごめんなさい』しても、私にとって、何の価値もないから。」
と返した。

そして、私を不安にさせないこと、安心させて欲しいこと、
大事にされていると感じさせて欲しいことを伝えた。

「何度も何度も言っているのに。もう何も言わなくていいの?」と。

「それは困ります。」と泣き顔入りで返事があった。




Nちゃんの言う「大事だよ」とか、「世界一愛してる」とかって、
一体何なの?


「大事だという私がNちゃんのせいで悲しんでたり、辛い思いをしているって
すごく矛盾していると思わない?」

「はい・・・(>_<)」
と、返事のあと、電話が鳴って、一件落着したけれど。

私とNちゃん、この先、一緒に居られるのだろうか。
そんな不安が頭から離れない。
昨日のこと。

Nちゃんと逢うのは、土日のどちらか。
でも、ごくたまに、金曜日の夜に逢うこともある。

金曜日の夜に逢うのは、たいていNちゃんの気まぐれで(たぶん)、
でも、私は毎週金曜日になると「逢えるかな、、、」と期待をしてしまう。
毎週。

彼の気まぐれにかき乱されるのが嫌で、
ごくたまに私から「逢いたいなぁ。」とお願いするときもある。
すると、「オレも逢いたい。22時までだけどいい?」とか、
「短い時間だけど逢いたいよ。」とか、あるいは
「今日は○○があるから無理なんだ。」と返事が来る。

私は毎日だって一緒にいたいんだから、
何も用事がなければ、一緒に居てくれたっていいじゃん、と思うから、
本当はNちゃんから「逢いたい」と、言われたいんだけど、、、、

まぁ、そう上手くはいかない。


昨日もそうだった。

「今日は『ゆう活』で今から帰るよ。」
と、メールが来たのが午後5時のこと。

(だったら、早く教えてくれればいいのに、、)と
思いながら、私は彼からのその後のコンタクトを待った。

私も昨日は早めに帰宅して、夕食づくりに取り掛かろうとしたが、
思い切ってメールした。
「Nちゃん、今日は忙しい?」と。

すると、
「姫、どうしたの?」と返ってきたので、

「逢いたいなぁと思って。」と、送った。

「オレも逢いたいよ。少しでも逢いたい。」

そして、待ち合わせ場所と時間を決め、私は大急ぎで
夕食づくりに取り掛かった。
待ち合わせ時間までギリギリの時間だ。

そして、彼からのメールが届いた。
「1時間くらいだけど、いいかな?」と。


待ち合わせ場所まで、この時間だと30分はかかる。
帰宅ラッシュの渋滞を考えれば、もう少しかかるかもしれない。
そう思うと、私の急ぐ気持ちが萎えた。

だって、1時間だよ。
逢った途端に帰ることを考えなければならない。
そんな短い時間で、きっと帰りはすごく辛いだろう。

すこし迷って、
「えーっ、じゃあ、いいや。やめとく。」と、メールを送った。
そう送ると、ひょっとしたら考え直してくれるかもしれないと思ったからだ。

そして彼から返事が来た。
「あれれ?そうなの。ごめんなさい。」

「もういいよ。」

「ごめん。娘のバイト先に迎えに行かなきゃいけないんだ。」
と、届いた。

(仕方がないことなんだけれど、
すごく仕方がないことだけど、子供がらみのことは
本当に複雑な気持ちになる。)

「もういいから。」

「姫ちゃん、、、日曜日、いっぱいギューするから。」

「別にいいです。」

たった1時間だからと、彼に逢う時間をみすみす手放してしまった。

夕食を作り終え、
静かに一人の時間を過ごしていると、寂しさが募った。
一人で過ごす1時間のなんと長いことか。

なんで、私は彼の「少しでも逢いたい」をもっと、喜べなかったのか。
そう思いながら、後悔だけが募った。
前日、Nちゃんに話したくて話せないままでいたこと。

ずっと、私が一人で考えて抱えていたことを
昨日、やっと話すことができた。

話したいことのさわりをメールで送り、数通のやり取りをした。
午後10時40分、Nちゃんからの電話が鳴った。

私のこれからの人生にかかわる色々なことや
色々な思い、迷いについて、彼に聞いてもらった。

「もっと早く話せば良かったのに。」

「どう話せばいいか分かんなかった。うまく話せないし。」

「うまく話す必要なんてないよ。ちゃんと聞くのに。」

「ありがとう。」


そして、私の将来に対する不安に話が及んだ。

「私はさ、いずれここ(家)を出るって、話をしたじゃない。
ここを出たらさ、たちまち寂しくてどうしようもないと思うんだ。
一人で生きていけないと思うの。たぶん、すごくつらい。」

「姫ちゃん、オレがいるから。一人じゃないよ。」

「そうだけどさ、けどさ、毎日一緒に居られるわけじゃない、
私は、たぶん、今以上に寂しさを抱えると思うんだよ。
それが耐えられない。」

「オレがいる。ずっと一緒に居るよ。」

「ありがとう。そう思ってくれるのは嬉しいよ。
ほんとにそう思ってくれてるんだろうと思うんだ。
けど、現実的じゃないじゃない。その現実的じゃないところに、
私は、たまらなく不安を感じるんだよ。」

「不安になんか思う必要ないよ。」

「Nちゃん、、、私がそう思うんだからさ。」

そして、私は、それに耐えられるように、今、自分がどうするべきか、
どうしようと思っているかを彼に話した。


真剣に耳を傾けるNちゃん。

時に冗談を交え、時に的確なアドバイスをして、
電話を切ったのは、日付が変わって午前0時40分を回ったところだった。

私の話を2時間も聞いてくれたんだ、、、

「私のこと、グズグズばっか言うなぁ、って思ってるんでしょー。」

「そんなことないよ。全然そんなこと思ってない。」

「ほんとかなー?」

「姫ちゃん、グズグズ言いたいんだもんね。それが姫の個性なんだよ。」

「いやになる?」

「ぜんぜん。いやになるわけない。」

「絶対?」

「うん、絶対。」

「絶対の絶対?」

「もちろん。絶対の絶対。」


2時間も電話で話していると、
Nちゃんがすぐそばに居てくれたような、そんな気がした。
あぁあ、、、何だかなぁ。
スッキリしない。

色々なことで行き詰まっている。

Nちゃんに話を聞いてもらいたい、とは思うけれど、
何をどう伝えればいいのか分からなくて、伝えられない。
例えばさ、将来の不安について。

私はいずれ家を出て一人で生活を始めるつもりなのだけれど、
これを彼に言ってしまうと、たぶんものすごく頼ってしまうと思われる。
その時の彼の反応も怖いし、私にだってやっぱり意地がある。
だから堪えなきゃと思っている。

でも、自分の考えや思いを整理したり、冷静になるためにも
誰かに話をしたい。
じゃあ、誰に?


そんなことを思っていた昨日の夜。

Nちゃんとメールのやり取りをしていたところ、
それまでキャッチボールが出来ていたのの、突然、途切れた。
寝ちゃったのかな、、、と思って40分ほどして「Nちゃん、、、」と
だけ送ると、しばらくして返事が来た。
その返事があまりに暢気だったんで、
「ほっとかないでよ。」と返すと、
「ごめん、ごめん、洗濯してた。」とメールが来た。

だったらさ、
「洗濯してくるね」くらいのメールを入れてくれてもいいんじゃないか、と
ちょっと抗議してみた。

彼は「ごめん、ごめん」と言ったけれど、
これはいつものこと。
いっつもだ。


だから私から返事をせずにいたら、
「姫ちゃん、おやすみなさい。」とメールが届いたので、
「キライダー」と返した。

「オレは好きだよ❤」のメールにはなにも返さずにいた。

時刻は深夜0時前。

無性に頭にきて、それで涙が出てきた。
せっかく話をしようと思ったのに、、、

だから0時を随分過ぎて、メールした。
きっともう眠っているだろうし。


「私を幸せな気持ちにして眠らせてよ。
ガッカリさせないでよ。
私を幸せな気持ちにしてくれないNちゃんなんてキライ。
話したいことがあったんだよ。(もういいです。)」

と。


そしたら、途端に電話が鳴った。
「姫・・・話したいこと何?話してごらん。」

「もういいの。」

「話して。」

「もういいから。」

「話してごらん。」

「ううん、いい。ありがとう。ごめんね。」

「何で、ごめんね?」

「眠りを邪魔したから、一応、ごめんねって言っとこうと思って。
もう眠ってると思ったから。」

「ふふ、、、寝てないよ。」

Nちゃんの穏やかな微笑みが見えたような気がして、
もう一度素直になって「ごめんね。ありがとう。」と言った。

昨日、私はいつになくウジウジとしていた。
Nちゃんの慰めにも素直に応えられず、

自分がいかに矮小な人間で、取り柄もなく、
自信もなく、ウジウジとしているかを訴えた。

Nちゃんはそんな私にこういった。
「姫は素敵だよ。いつも尊敬してます。」

その言葉が嘘くさく、
「全然そんなことないし、それは勘違い。」と返すと、

「素敵で、すごく魅力的な女性だから、
オレは姫に惚れているんだよ。」とNちゃんからメールが届いた。

『惚れている』と。


Nちゃんは私に、好きとか、大好きとか、
愛してるという表現は、それはもう毎日のように使うけれど、
「惚れている」という言葉が使われたのは初めてだった。

『惚れている』という言葉が何だか男っぽくて、
無性にドキリとして、そのメールを何度も何度も読み返した。


それでも、私がいつまでもウジウジとしていたら、
「オレはまっすぐに姫のことを見つめていて、そう思うんだから、
素直に受け取ればいいんじゃないかな。
素敵な女性だから姫とずっと一緒にいたいと思うんだよ。
誰しも多かれ少なかれ不安と戦っていると思う。
姫だけじゃないから大丈夫。みんなウジウジしてるんだよ。」

Nちゃんにしたら、珍しく長文のメールが届いた。
彼のこういう真面目な一面も私は好きだ。



あ、そうそう。
それでも私が駄々をこね続けていると、Nちゃんからこうきたんだった。
「おぬしも頑固だね~」

それで、私が「じゃあ、もういいー」と返したら、

「敗北宣言だね。オレの勝ち\(^o^)/」
と送られてきたんだった。



いつも勝ち負けを決めたがる、、、、、